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今夜は脱線でも・・・若き日の木枯し平社員の話 その3
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u~nn・・・春ですね・・・。パソコンの机にドドンっと・・赤ワインを置いて
 あおってみるのですっ。(→単なる酔いどれオヤジ)


 さてさて・・酒に酔っ払って書き始めた 山話も今回で3回目。今夜あたりで
 終わらせるために頑張ってみるのですっ。

 前回までのあらすじ・・・

 仲間から抜け出して、単独山行をするためキャンプを抜け出した木枯し・・。
 しかし、山頂までは予想外に時間がかかり・・帰り道の時間短縮の為、
 別ルートで下山するが・・・そこには、鉄砲水でえぐり取られた山腹が・・。
 思案の末、若き日の木枯し平社員は、これの横断に挑戦することに・・・。


 滑落防止用の木の枝を素早く突き、3本足となり素早く向こう側にたどり着くのだ・・。
 若き日の木枯し平社員・・いよいよ・・鉄砲水の跡を横断することに・・。

 イメージを膨らませ・・静寂に包まれる山の中・・木枯しは、1本の枯れ木を片手に
 スタートしました・・・。快調でした・・はっきりと覚えていないのですが・・あまりにもの
 スムースな展開にびっくりしたのです。ダッシュ!ダッシュ!ダッシュ!したのです。

 しかし、その時、目の隅で下方の鉄砲水の跡から・・大きな岩が姿を現し・・
 下に落ちていくのが見えました。

 「落~っ!!!!(ら~くっ!!!)」と木枯しは、叫びました。
 
 ※「落」は、下にいるかもしれない登山者に対し岩が落ちていくぞ~という警告です。

 次の瞬間・・・木枯しは・・鉄砲水の跡を半分も行かないまでも・・前に進めなく
 なっていたのです・・・。

 木枯しは・・腰までずっぽり・・土に埋まっていたのです・・。
 そして・・流星群のような岩が・・目の前を通っていきました・・。

 いったいなにが・・・?



 ゆっくり・・辺りを見回しました・・。理由は・・すぐに分かりました・・。

 堅いと思っていた土は・・鉄砲水の跡の中心付近では・・・ふるいにかけた小麦粉よろしく
 フワフワになっていたのです・・・。すなわち・・木枯しは、空気をいっぱい含んだような
 細かい土の中に呑みこまれてしまっていたのです・・。

 そして・・土に捕まってしまった・・木枯しには・・自分が抜き差しならぬ事態に陥ったことを
 知りました・・。

 木枯しを包んだふわふわな土は・・木枯しの体重を支えることが出来ず・・足元から
 ズルッ・・ズルッと下方に滑り始めたのです。フワフワの土の中に埋もれた木枯し・・。
 そして・・20メートル先には・・大きな崖が・・あったのです・・。

 そして・・さらに事態は・・悪化していくのです・・。



 
 

 



 自分の身体が・・ゆっくり崖に向っているのを知った木枯し。
 
 なぁ~にとばかり・・ふんわりパウダーの土を踏み固める為、土の中で足場を
 固めるように足を動かしました・・・。次の瞬間・・。

 パウダー土の中から・・どこから出てきたのか次々と・・人間の頭ほどもある岩が
 流星群のように上の方から降ってきたのです・・・・。


 次の瞬間・・・木枯しは・・足にかなりの痛みが走ります・・。そう・・流星群の中の岩のひとつが
 木枯しの足を直撃したのです・・・。
 痛さに土の中でへたりこむような姿勢をしたように思います・・。
 
 そして・・次にシャレにならないくらい巨大な岩が・・目の前をゆっくりと転がって行くのが
 目に入りました・・。

 「やばい・・・こんな岩を落としたら・・犯罪行為だ・・直撃すれば・・人が死ぬ」

 とっさに恐怖の悪寒が走りました。岩は・・ゆっくり・・転がっていき・・20メートル先の
 崖から姿を消しました・・・。どうか、人が死にませんように!

 叫びました。 「落~っ!!」「落~!!」「落~っ!!」

 そして・・木枯しは、待ちました。岩が下に落ちた音がするまでの時間。
 「ド~ンっ」という鈍い音がしたように記憶しています。
 そして・・それはしばらく時間がかかることが分かりました・・。
 つまり・・崖から下まで・・結構な落差があることを示しています・・。
 岩が落ちていくイメージから、落差を想像すると・・およそ・・30~50メートル・・。

 この時・・木枯しは・・す~っと・・戦意を喪失しました。

 ずずっ・・ずずっと・・腰まで飲み込まれた身体は・・崖に近づいて行きます・・。

 落ちたら・・・ただじゃ・・すまないだろうな・・・。死ぬかな・・・。
 骨折・・数箇所で助かるかな・・でも・・こんなところで骨折して動けなくなっても・・・
 誰も発見してくれないだろうな・・。やっぱり・・死ぬのかな・・・・・。はぁぁっ・・。

 動けば・・岩の流星群・・。じっとしてれば、大きな崖下に叩き込まれます。

 どうする・・どうする・・。取り合えず、まだ片手に持っていた太目の木の枝を
 滑落防止に土の中に差し込むのですっ!

 力を込めて・・深く刺されと・・木の枝をパウダー土に差し込みます・・。

 ポキン・・・・。  ??? 折れてしまいました・・。よく見ると長年の風雨にさらされ・・
 太目の木の枝は・・中が・・腐っていました・・・。  えっ?!  

 えっ?!えっ?! 万事休す・・・な・・のか・・・。

 そんな・・そんなに簡単に終わってしまうものなのか・。えっ?えっ?

 若き日の木枯しは・・事態があまりにも簡単に悪い方向にむかって行く事が信じられません。
 ここでは・・映画の中のように都合よく誰かが助けに駆けつけてくれるなどいうストーリーは
 存在しないのです・・。 

 (次回に続く・・)


 今夜で話を終わらせるつもりでしたが・・意外に長くなってしまいました・・。
 あと・・もう一夜だけお付き合いを願うのですっ・・。(途中でやめるわけにもいきませんしね・・)

 おやすみなさいなのですっ。
 
by simarisu10 | 2007-03-22 21:55 | 平社員休憩室
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