カテゴリ:捜鳥記( 6 )
  捜鳥記 6

      捜鳥記



< 最終話:痛風再び・・・>

<第5話: 突然、鳥だらけ>より続く

第1話はここから

5月10日  火曜日

 チュン部長を失ってから、もう11日・・。私は2羽の文鳥に囲まれて、悲しみの傷は急速に
癒えつつある。

しかし、ながら・・・いまだにチュン部長の捜索は続いている・・・。もう第20回目の捜索で
あろうか・・・・。

この日は、部長とはぐれたポイントから比較的近い4軒のペットショップを巡った。
結果は・・・空振りであった・・・。

しかし・・・・結果が空振りに終わった事で私は強く自信を持った。

    「チュン部長は生きていらっしゃる・・・・。」

ただ、なんとなく捜索を続けていたわけでない・・・。
疑問の空白をひとつ、ひとつ埋めていっていたのである。

現場検証を行い、仮説をたて・・・・煙草をくゆらせながら・・・。(ちなみに捜索中は携帯灰皿持参
でありますっ)

  あれは・・チュン部長喪失、5日目のことであった・・・・。

ジグソーパズルの難解な一片が・・・・ついにはまったような出来事が起きた。

後半に続く
by simarisu10 | 2005-05-11 22:15 | 捜鳥記
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   捜鳥記

<第5話  突然、鳥だらけ・・・・>


<第4話: 暴走(後半)より続く>

「あ~~っ、次長・・・部長と喧嘩してはいけません!部長は次長と仲良くしたがっているだけ
なんですから・・・」

「あ~~、部長も次長をあおってはいけません・・・ふぅ・・・・」

2匹の文鳥が私の肩の占有権を主張して、争っている・・・と、いうより、ヂュン次長が
近寄ってきた部長に対し、私の肩をテリトリーであると言っているのだ・・・。

チュン部長とはぐれた夜、江坂のペットショップで買った白文鳥はヂュンヂュンと名付けられた

ヂュンヂュン=ヂュンの二乗・・・・転じて、ヂュン次長である。

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最初は見る影もなく、汚かった次長も、たっぷりの餌と青菜と水浴びで・・・少しは人前に
出れるようにはなった・・。

買ってきたのはいいが、荒鳥(人になつかない文鳥)の気配があった。私の手から逃げ回る
のである・・・・。しまった・・・・・軽々しく買うのではなかった・・・・と思ってもあとの祭りである。

少しは馴れてきたな・・・と思った時、ヂュン次長に対して、ある事を思いついた・・・。
よく、チュン部長とやっていた遊びであるが・・・・私は、文鳥の前でもだえ苦しみながら
死ぬ真似をしたのである・・・・。

なんと・・・効果はてきめんであった・・。次長は心配そうに私の周りを長い間、チュンチュン
鳴きながら跳び回った。

むっくり、起き上がる私を見て・・・・喜んだのか・・・私の手にチョコンと乗る。私は、そのまま寝て
しまった・・・。起きた時には、次長は、まだ私の手の上で居すわっていた。

それ以来、次長とは大の仲良しになった。

さてさて・・・次長の喧嘩相手の部長であるが・・・・・。

ピョン部長である。↓

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当初、ヂュン次長では、チュン部長の代わりを勤めることは出来まいと思い、何軒もの
ペットショップを周り、やっと、これなら・・・チュン部長の後任に適格と判断した
桜文鳥の中ヒナである。

ピョン部長はホームセンター コーナン東淀川区店の出身である。文鳥を求めるなら
おすすめのお店であるっ!

ペットコーナーには、文鳥好きの・・可愛い~~~若いお姉様がいらっしゃるのであるっ!
多分・・・文鳥の中ヒナと毎日、遊んでいてくれたのであろうか・・・・。

ピョン部長さまは・・・・人も羨む・・・「握り文鳥様」なのだっ!私の手の中でスヤスヤお休み
になられるのであるっ!他のヒナ達も相当人に馴れており、ピョン部長様以外でもハズレは
なかったであろう。このペットコーナーでは、文鳥の素晴らしさを伝える貼り紙がしており、この
お姉様の丁寧な想い入れが感じられる。

あっ・・・・部長・・・・・早速、初仕事でございますっ!

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なんと、ベランダに・・・鳩の夫婦がすみついて・・・・卵を生んでいるのでございますが・・・。
私め、平社員と眼が合うと、逃げ出していって・・・もう卵は2時間、放置されております。
いかがしませう?

はっ・・・親鳥が戻ってくる可能性もあるが・・・・・とりあえず・・・・ヒーターで暖めよ・・・ですね。
名案ですっ!では、早速・・・・。

チュン部長がいなくなって・・・・狭い私の部屋には、2羽の文鳥と鳩夫婦・・・それに卵までが
いついてしまった・・・・・。いきなり、鳥だらけである・・・。

おっ、おっ・・・そろそろ時間ですなっ。私は外出の準備をし、管理職の2羽様に報告する。

「では、木枯らし平社員、只今、ひとろく、まるまる時より・・・恒例、チュン部長の捜索に
参ります。」

次長は薄目を明けてうなずき、部長は、羽をパタパタさせて応援のエールを送ってくれた。

後半に続く・・・。
by simarisu10 | 2005-05-10 23:55 | 捜鳥記
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 <第4話  暴走(後編)>

 
<第3話: 暴走(前半)より続く>

 5月3日(火曜日) am 4:00  第8回捜索

  昨夜、作りあげたチュン部長捜索ポスターを現場(第一重点ポイント)付近に貼って廻る

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写真にはでてないが連絡先などは書いてある・・・。

この日はあいにく休日ながら会社なのである。ひたすらに休日の当番になったことに強い
憎しみをいだきながら出勤・・・。周期的に襲ってくる悲しみの衝動は強い・・・。
ペットロス症候群・・・第2期(極度の悲しみと絶望・・・)それは、まだ・・・・はじまったばかり
であった・・・。


自分の愛するものを失う悲しみ・・・・失う者、それがどうして鳥の姿をしててはいけないのか・・・。
もし、それが人間の姿をしていたら・・・私を取り巻く社会は・・・出勤を強要したのか・・・。
自分が悪いとも知りつつ、心の弱さを露呈しはじめた私であった。

第8回捜索は・・・成果はなかったが・・・貼り紙からくる連絡に心が浮き立つほどの期待が
あった・・・。

後半に続く
by simarisu10 | 2005-05-09 00:08 | 捜鳥記
捜鳥記3
 

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<第3話 : 暴走(前半) >
第2話より続く

 5月2日 月曜日  

 第6回目捜索 am 4:00

この日はあいにく会社である・・・。昨夜は深夜の1時に睡眠導入剤を飲んだので、
起きれなかったなどということもなく、快調な目覚めである。
日曜日の朝、5時に起きた時はすっかり陽が昇っていたので本日は4時からの捜索で
ある。しかし・・・早すぎ・・・河川敷にたどりつけど・・辺りは真っ暗であった。

↓これが現場の写真。
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第6回目の捜索は会社の出勤時間もあり、1時間程度の捜索に終わった・・。

チュン部長は発見出来なかった・・・。この6回目の捜索より、私は捜索個所を絞っていく
ことになる。文鳥と外部ではぐれた時の文鳥の最初の行動半径は50メートル。

いる可能性の高い個所は、

草むら、茂み、民家、鳥が飼われている所、雀の群れの中。

などである。第5回目捜索までは捜索範囲を広げすぎた・・・。この6回目から頭が少し冷えて
きたので・・・少しは知恵をひねるようになった。

昨夜は3時間程しか寝ていないのに関わらず、身体は絶好調であった・・・。なにか・・おかしい。

この6回目の捜索でも部長を発見できなかった・・。

後半へ・・
by simarisu10 | 2005-05-08 20:04 | 捜鳥記
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<第2話:加速する悲しみ>

第1話:闇への序章>より続く

5月1日(日曜日)

 日曜日の朝までは遠い道のりであった・・。早く、夜が明けないかと意識の無い眼で窓を
眺めていた。しかし、いつしか眠ってしまったらしい・・・。

朝、目覚めたのは5時であった・・。

    まずい・・・・空が白ばみかけているじゃないか・・・・。

夜明けを5時半と考えて5時に目覚ましをセットしていたのだ・・・。まだ、床につく前に目覚ましを
セットしていた。あの底しれぬ狂気が襲ってくる前であったのは助かった・・。

自分でも驚くほど敏捷に動き、僅か数分のうちにPCの「迷い鳥掲示板」に目をとうし、必要な
装備を準備していた・・。

現場までは十数分・・まだ・・・・なんとかなる・・・・。

しかし、夜があけつつある神崎川の河川敷には、休日ということもあり、多数のジョギングする人
ウォーキングを行う人が詰めかけていた・・。

私は現場にたどりついた時には、陽は昇り、あたりはすでに明るかった。
 
探すべき場所は山ほどあった。茂みの中、川面、空、3次元空間の全てが捜索の対象であった。

どうすれば・・効率の良い捜索が出来るかなどは知らなかった・・・。

朝、早くいけば必ずチュン部長に会えると信じていた・・・。昨日は闇が辺りを覆うまで捜索して
いたのだ・・・。文鳥は暗くなると動かない性質がある。明るくなるやいなや、活動を開始して
私を探すことを信じていた。

姿が見つかれば・・・こちらのもの・・・いつもどうり私の組み手の合図で手元に戻ってくるで
あろうと思っていた・・・。しかし・・・・現実は・・そう甘いものではなかった・・・。

後半に続く・・・。
by simarisu10 | 2005-05-05 22:16 | 捜鳥記
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<第1話 闇への序章>

4月30日 土曜日

外科に行くと医師が・・これはすこぶる高いね・・と言いながら検査の結果を私に告げた。
重度の痛風であった・・・・。違う事を密かに祈っていたのだが・・・・。
結果が重度であったことはショックであった。その場で整形外科に行くように指示された。
幸い、土曜日で整形外科ではすぐに治療を受ける事が出来た。
痛み止めの薬を貰い会社に戻る。昼に痛み止めを飲んだ・・。

痛み止めの薬の効き目は素晴らしく、人の1/3の速度でしかあるけなかった私は
その日の午後の4時には、かすかなビッコをひくまでに回復した。

痛風の原因である、右足親指の間接に溜まった尿酸をとるには、軽い運動とストレス発散と
睡眠が必要であった。

ホームページで調べたのだが、ウォーキングがいいらしい・・・。
なるほど・・・ストレス発散、軽い運動・・・少し運動すれば、夜はぐっすり眠れそうだ。

名案だな・・・・。よし、自宅から十数分の距離にある神崎川の河川敷を歩こう。
秋、チュン部長(白文鳥)と散歩した道だ・・・。

そうそう・・あの時は肩に文鳥を乗せて散歩する私を見て道行く人々が軽い驚きをみせるのが
愉快だったな・・・・。

部長・・・最近、換羽期(トヤ)で落ち込んでいるし・・・よし!部長も連れていこう・・・。

でも・・・秋からしばらく・・・経っているし・・散歩できるかな?

試しに部長を肩に乗せ、マンションの通路を歩いてみた・・・。部長は逃げる様子も無く
私の肩につかまって機嫌よさそうにしている。

問題なさそうだ・・。

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私は善は急げとばかり・・・部長を外出用のカゴに入れ、カバンに詰め込みデジカメと共に
河川敷に出かけた。

足はまだビッコを引いていたが、周りの人間からはジロジロ見られない程。

河川敷に着くと人目に付かない茂みに隠れ、部長を取り出し、写真を撮る。
部長はジョギングをする人間を見ると驚き飛び立ってしまうのだ。
もちろん、飛び立ってしまっても・・・それほど飛べず迎えにいけば、また手に乗ってくれる。
しかし、それでもジョギングや自転車に乗った人に会う可能性がある場所は避けねば・・・。

おとなしく手に乗り、肩に乗り、写真を撮られる部長・・・。

ひととうり、写真を撮り終え、カメラをしまった時であった・・・・。

肩に軽い衝撃を感じた。部長が飛び立つために足に力をこめてジャンプしたのだ。
連続したはばたき音と風を感じた。

飛び立つ瞬間の部長の顔を1/100秒のコマのようなカットで私の眼が捕らえていた。

今までになく力強いはばたきで部長は垂直に弧を描き、かなりの速さで10メートル向こうの
川面に落ちて行った。

馬鹿な・・・・。

後半に続く・・。
by simarisu10 | 2005-05-04 19:30 | 捜鳥記