リクエストに応えて・・木枯らし 海を往く 「発見」 の巻(前編)
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 はい、ピナ課長・・そのあとは、 ♪ ロデムぅ~変身・・地を駆けろ~ぅ~ でしたね・・・・。


 コメント欄に書かれていた なみさん のリクエストにお応えして・・・


 木枯らし、海を往く シリーズの最終話を・・・・

 私の母校は、三重大学。 水産学部に所属していた。
 最後の学年は、海洋環境学 という研究室にいた。

 水産学部で 海洋環境学の研究室があるなんて・・・三重大学とあと2つくらいだったろう・・。

 水産学部というより・・・海洋物理の研究室であった。教授は、その方面の権威であり・・異端児でも
 あった。 そのせいかどうかは、わからないが・・・結構な予算を獲得できていたらしい。

 しかし、所属する学生の私たち3人の生活は、悲惨なものであった。
 朝の8時から、毎日、深夜2時ごろまで研究室にこもりっきりなのである。
 
 当時、国立大学にくる連中といったら、貧乏な家庭の出身者が多く、私たちも例外ではなかった。
 仕送りなどスズメの涙。下宿の家賃を払ったら・・・生活費は、ほとんどなかった。

 テレビ局でバイトをしていた私は、短時間でそこそこの収入を稼げたが・・・あとの2人は・・・
 かなりきつい生活だったと思う。

 吸っている煙草も当時でさえ珍しい・・安物煙草のエコーか うまくて安いがフィルターのない両切り煙草の
 しんせい であった。私は、 しんせい が大好きだった・・。今でも、まれに当時を偲んでフィルターを
 ちぎって、煙草を吸うことがある・・・。フィルターのない煙草は・・基本的に美味しい・・。

 その生活に同情して、他の研究室から、解剖や実験に使った魚が届けられてくることは、日常茶飯事。
 私は、夕刻になると食品工学の研究室に行き、その日の試作の失敗品を失敬していた。
 

 あるとき、教授たちが学内で懇親会を行ったとき・・・私たちは、終わった後、会場に忍び込み、
 残飯をあさった。普段、学食の大盛りカレーライス200円が主食であった私たちにしてみれば
 それは、食べ残しといえどもご馳走であった。
 
 それをむさぼっていた時、教授が酔って現れ・・・
 「わが誇り高き研究室の人間が、人の食べ残しをあさるとは、何事か!」と怒り出した。

 ところが怒ったのは・・・逆に私たちである。私以外は、日曜日くらいにしかバイトができず、
 万年、金欠。それどころか、1年のうちの 1/3 は、海の上で睡眠時間さえ・・・ほとんどない労働を
 させられていたからである。
 (木枯らし平社員は、地元のテレビに出演していたので・・・例外?的にバイトが公認?されていた)

 普段、おとなしく従っている学生が、怒り始めたのを見て・・教授は、それでも威厳高く・・
 それでは、これで、みんな何か食べろ と差し出したのは・・・1枚の千円札であった・・。

 3人で・・・1000円? 私たちは、教授が去ったあと・・失笑ばかりしてたっけ・・・。


 そんな貧乏学生所帯の研究室であったが・・・ある日・・・大発見?をしたのである。

 事の起こりは・・アンデラと呼ばれる、海洋の潮流の速度を測る機械のデーターからであった。
 
 私たちの3人の中で、前田先輩だけは、大学院生であるので研究室に3年もいた・・。
 ほとんど研究室にこもりきりで下宿に帰らない人であった。

 その先輩がアンデラのデーターを解析しながら・・・おかしい・・・おかしいとつぶやきだしたのである。

 海上でのアンデラの担当は、私である。

 「おい・・・木枯らし・・・このデーター・・間違ってないよな・・」

 私は、一瞥(いちべつ)したが・・・いつもと同じパターンなので

 「ええ・・・」と答えただけだった・・。私は、この研究室では、もっとも怠け者だった。
 そもそも、海洋環境学の研究室にいたからといって、その分野に就職する気は、まったくなかったからである。
 
 学生ながら、前田先輩は、大胆な仮説を打ち立てたらしい。あとから聞いた話によると日曜日にも
 研究室にこもってデーターを解析していたようだった・・。

 前田先輩の発見は・・・

 「ある複数の海域の 深海のある深度になると・・・アンデラ(海洋潮流 流速計)のデーターに同程度の
 誤差が現れる」

 というものであった・・・。


 うううっ・・・昔話をすると長くなってしまいます・・・。 今宵は、このへんで・・。

 
 
by simarisu10 | 2009-09-30 18:38 | 平社員休憩室
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