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赤海老エイト 5周年記念 特別企画  3
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        ↑ 題名「明暗の分かれ目・・」 

                           撮影者   木枯らし平社員
                           撮影場所 エイト社のベランダから・・・


 前回のあらすじ・・・

 印刷会社に就職した若き日の木枯らし平社員。

 ひょんなことで 今井○樹さんのレコードジャケットの商談に赴くことに・・・

 第二夜
 
 Fレコードの制作部?の部長は、怒っていました。
 
 大型新人のジャケットの印刷担当を 青二才の木枯らしに担当させるというのですから・・。

 「こんな人が担当だなんて困るんですよ。 今回のは、新人は、凄いんだから・・。絶対、売れるから・・」

 ところが・・・一緒に商談に行った部長は、まるで動じることなく・・。

 「今、うちには、こいつしか空いているのは、いないんだ。 あんたの売れる、凄いは、いつもの事じゃない。
 実際に売り出してみたら・・・レコードの売り上げの伸びない事・・。結局、うちは、あなたところだから
 安い見積もりだしてあげても・・・・ペイできないんじゃない。」

 レコードジャケットの印刷会社は・・・歌手のレコードの売り上げ枚数に密接に関わってきます。

 印刷自体は、機械がとんでもない枚数を超高速で刷り出すので・・・そんなにコストがかかりません。
 しかし、版を作るまでが、かなり大変なのです。
 
 しかもクライアントの気に入るような色の出し方、校正・・・特殊な修正や技法・・・それにお金がかかるのです。

 でも、レコードの枚数が売れそうな歌手なら、版で赤字を出しても印刷の部分で軽く取り戻せるのです。

 しかし、レコード会社にすれば、歌手が出したレコードが売れなかった時の為に被害を最小限に
 抑えるために、版の制作に安い見積もりを出した印刷会社が便利なのです。
 
 逆に絶対に枚数が売れると分かっている場合は、印刷費用の安い見積もりを出した印刷会社を
 選ぶのです。

 レコード会社は、 「この歌手は、絶対売れるから・・・安く見積もりして。絶対、大丈夫だから・・・」と
 言って印刷の見積もりを安くさせるのですが・・・。
 あまりにも売れない歌手ばかりを輩出していると・・・印刷会社の方も・・・愛想をつかして離れてしまいます。

 手間ばかりかかって・・利益にならないからです。

 レコードを出すという事は・・・実際には、レコード盤と印刷されたジャケットを売るという事です。
 
 だからレコード会社の方としては、レコード製作とジャケットをいくらコストダウンさせるかが
 赤字と黒字の分かれ目とも言えます。

 とくに・・・どれだけ売れるか分からない 新人歌手の場合は・・。


 今回の場合も あまりにもヒット歌手がでないFレコードにレコードジャケット印刷では、大手の
 私の勤めていた会社が愛想をつかしていた形だったのです。

 しかし、印刷の技術では、定評のある会社だったので・・・愛想をつかされた会社に電話して
 大型新人の為に良いアルバムジャケットを作ってやろうという事だったようなのです。


 結局、Fレコードの制作部長は、うらめしそうな目をしながら、私を印刷の営業担当として承認したのでした。
 
 帰り際・・・・私を連れてきた部長は・・・今井○樹さんの等身大の立て看板を見て・・・・
 私に・・・
 「まぁ・・・今回も売れるとは、思えんが・・・。お前の練習材料の仕事にピッタリだろうよ・・。
 今回の件で仕事の流れをキッチリ学んでこい。それから、今回の仕事は、皮切りだから・・
 もっと金になる他の仕事をもらえるようにするんだぞ・・・」

 部長の目は、大型新人の今井○樹さんの立て看板ではなく・・・当時、ノリにのっていた男性演歌歌手の
 立て看板を見ていました・・・。

 私が最初にもらった仕事は・・・・今井○樹さんのセカンドアルバム「フェイスタ」でした・・。

 
by simarisu10 | 2009-05-19 18:13 | 平社員休憩室
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