平社員とJAS法の巻
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 市場に勤めていると・・・・行政と接する機会があります。

 木枯らしが人間社会で勤めるのは、金沢中央卸売り市場・・。

 ここは、金沢市の行政管轄となります。

 また、農林水産省もからんできます。

 「お~い、先生!あんたも出席してくれ~」と隣の部の部長からお呼びがかかります。

 人間社会では、何故か先生と呼ばれている平社員・・。

 職分は・・・平社員なんですけども・・・。

 どうやら・・多少の知識を持つ、木枯らし平社員を呼んで、これから来る、お役人さんと
 ひと悶着あった場合に一緒に迎撃しようと思ったのでしょうか・・。
 面白そうだから・・・行くのです。

 食品表示に関してJAS法に基づいた表示が、ちゃんと行われているか話し合いに
 来るのです。

 お役人様がこられて・・早速、パソコンを用いた説明が行われます。
 早速、となりの部の部長様が牽制球を投げます・・。

 話がワケが分からなくなってきます・・さすがにお役人様が不快な表情を表に出し始めます。

 これは・・・チト、まずいな・・・。

 仕方ありません・・。私の出番です。
 ある程度のJAS法は、理解しているので話の先回りは、出来ます。
 わざとらしく知らないふりをして、話を誘導していくのです。

 「じゃ、この場合は、表記が不適切だと言えますね。でも・・こんな場合は、いったいどうなる
 のですか?  ええっ?!そうなんですか?いや、初めて知りました。おもしろいですね。
 なるほど・・・。じゃ、この次の商品の説明をお願いできますか?はい、面白くて
 ためになるので、早く知りたいです・・・。おおおっ!なのですか・・・」

 と言いながら・・・相手からいろんな情報を頂きます。

 私が本で学んだJAS法とは、違い、相手は、プロです。なかなか面白い話が
 聞けるのです。いつしか、場は、和やかな笑いにのってすすめられて行きます。

 さて・・・良い機会ですので・・・少し、JAS法のお勉強をするのですっ!

 



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 これは、大豆をボイルしたものをレトルト包装した場合の一括表示の例です。

 この場合、殺菌方法を除く6項目が義務表示で最低限、書かなければいけない
 表記です。殺菌方法は、レトルト包装の場合の都度の表示となります。
 これは、さまざまな食品に関して細かい定義がなされていますが、
 基本的に6項目を表示していれば良い食品が大半を占めます。

 今回は、大豆をボイルしたものですので、原料の状態からさほど姿が変っていません。
 
 この場合は、原料の原産地表示が必要となります。
 
 もし、このボイルした大豆が味付けをされていた場合は、加工品とみなされ
 原産地の表示は、不要です。ボイルした上で味付けがなされた・・・この場合は、
 加工工程が2つあるので加工品となります。

 しかし・・例外があります。それは、発酵食品です。たとえば、糠漬けがそうです。
 
 発酵食品は、発酵という特殊な加工のため、一度しか加工工程がない(糠につけるだけ)
 のですが・・・原材料とは、著しく姿かたちを変え、食品としての性質も変えられてしまいます。

 このため、加工品扱いとなります。

 上の画像で注目していただきたいのは、開封後の保存方法の表記です。
 
 開封後の保存方法は、一括表示の線の中に入れてはいけません。

 枠の線の中は、基本的に法律に基づいた事しか書いてはいけません。開封後の
 保存方法は、食品メーカーとして、お客様への注意喚起なので、枠線の中に書いては
 いけません。あくまでも開封前の事しか、書いてはいけません。商品名を書くことも
 ダメです。書くなら、枠線の外に書くのです。また、枠線の中の製造者は、販売者でも
 問題ありません。ただ、名前を表記した製造者、販売者、輸入者は、表記した内容に
 ついて責任を負うことになります。責任を分担したい場合は、製造者と販売者を
 枠線の中に両方書くことになります。両方書いていても、片方が枠線外の表記なら
 責任を免責されることになります。

 
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 これは、パスタソースです。これは、何度も加工工程がある食品なので立派な
 加工品です。このため、原材料のひとつひとつに対して原産地表示がありません。
 それにいっぱい材料があります。
 この場合は、重量対比で多いものの順番に表記をしていきます。この場合だと
 ひまわり油が一番多く入っているのですね。
 しかも、特定の都度表示がないので・・・義務表示のみです。本当は、保存方法の
 表記がいるのですが・・・これは、書いてませんね。常温保存だからかな?→勉強不足。

 また、輸入品ですので・・最終加工地の表記も要ります。もし、これがイタリアから輸入
 され、日本で日本人向けの味付けとして手を加えられたら・・・最終加工地は、日本(国産)と
 なります。しかし、日本で・・僅かな塩を加えただけで国産と表記されると・・・
 明らかに現実とことなります。このため、食品ごとにどこまでの加工をした場合、
 最終加工地がどこになるかを定義づけられてます。

 ちょっと自信がないのですが・・明太子の場合、辛子や調味料で味付けをした場所が
 最終加工地になります。韓国で味付けをして、日本で食べやすいように切ったり
 パックしても・・・原産国は、韓国となります。

 ちなみにマグロだけおのお刺の場合、産地の表示がいります。
 でも甘えびと一緒に盛り合わせた場合、刺身にして、混合するという
 2つの加工工程がはいりますので加工品扱いとなり、産地の表示は、いりません。

 また、日本産の野菜や魚そのものを売り出す場合は、県名で産地を表記しなくては、
 いけません。でも、すこし手を加えた場合、(国産)表示でオッケーです。

 北海道で獲れたタラそのものは、北海道産と明示しなくては、いけません。
 でも切り身にして青森のタラと混ぜた場合は、国産表示でオッケーなのです。

 この他ににも・・・いろいろとあるのですが・・・話しが長くなると・・なんなので・・・。

 スーパーなどに行く際、裏面などにある一括表示を眺めてみるのも面白いかも
 しれません。あの小さな枠線の中には、食品のヒミツをしる情報がたくさん開示
 されてあります。知識があれば、食品の正体を見抜く事も可能です。

 いろいろ教えてくださった、役人様・・・おわりにポツンといいました。

 「法律で細かく定められてはいます。しかし、実際、現場と直面すると例にあてはまらないもの
 どう判断したらいいのか分からないものが沢山あります。さっきの例なんかもそうです。
 あまりにも多くの原料や調味料を使って、小さな商品だと印刷面に正しく書ききれないのです。
 ちゃんと規定どうりに書くと商品のデザインを壊すおそれなんかもあります。
 
 その場合は、現場の判断で・・必要な事が書いてあり、正しく表記されていれば、
 仕方ないだろうと済ます事も必要だと思っています。

 あまりにも多様な食品の世界において、杓子定規に法律をとおすこと自体に無理があると
 言えるのかもしれません。」


 

 
by simarisu10 | 2008-05-22 21:07 | 平社員営業フロア
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