平社員、酒と外国、その果てに 中国編(後編)
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 上の画像は、韓国の風景で本文とは、関係ありません・・・です。


 では・・・・木枯らしの酒飲み話もようやく・・おしまいに・・・・。

 前回までのあらすじ

 中国に行った際、中国の役人から酒飲み勝負をもちかけられた木枯らし平社員。

 しかし・・・それは、たんなるビールの早飲みだった・・。

 苦も無く、勝つも・・その後、裸踊りを披露したところから・・・状況が変わり始めた。


 お下劣な お話なので・・・18歳未満の方と若い女性は、立ち入り禁止です。


 



 ダンスを終え、周りから、よくやった?といっているのでしょうか・・・。あちこちからビールが
 つがれます・・・。酔いは、まわっているものの・・・喉もかわきました・・。グビ~ッと
 飲むのです・・。

 身体中からふきだした汗をシャッで拭き、上半身、裸のままで身体を冷やします。

 と・・・しているところに・・・・さっきの身体の大きい中国の役人が私の前に来て・・
 なにか言っています・・・。

 「木枯らしさん・・・・もう一度、勝負しろ・・・って言われているよ・・・・」と現地の駐在員。

 はい、はい・・・わかりました・・・。お腹がタポタポなんだけど・・・。

 と、いうことで・・・身体の大きな役人と再勝負です。

 イ~・ア~ル・サン!!ビール、いっき飲み!

 さすがにここに来て、木枯らしもばててきました・・・。僅差で・・・負けたのです。

 身体の大きな中国人は、嬉しいらしく「日本人にかったぞ~」と何度も叫び、周りの賞賛を
 浴びています・・・・・。
 こうなると、おさまりがつかないのが、最初に勝負を挑んで負けた中国の役人達。

 私にさらなる再勝負を求めてきます。さすがに・・このころになるとお腹が張ってビールなど
 入りません・・・。次の役人にも負けました。

 「日本人に勝ったぞ~!」と叫び始めます。
 
 となると、今度は、別の役人がきて、再度、同じ事が繰り返されます・・・・。

 蒸留酒では、滅法強い平社員も・・ビールは、立て続けに飲めません・・。

 さすがに・・もう駄目・・・。

 しかし、「日本人に勝ったぞ~」をやりたいがために拒否する私を無理やり勝負に
 たたせます。何回・・やったでしょう・・・。意識が朦朧としてきました。
 小瓶のビールがだんだん飲み干せなくなりました・・。

 と・・思ったら・・また、別の役人が・・。駄目だというゼスチャーは、無視されます・・。

 やけくそ・・・・。歯をくいしばり、ビールのいっき飲みをしてやりました。
 
 ビールは、口に入らず、身体中にをびっしょり濡らし・・・
 まわりからは、非難らしい声があがります・・。
 これ・・以上・・飲めないのです・・・。

 このあたり・・あまり、記憶が無くなっています・・・。きっと・・それは、何回か続いたのでしょう。

 気付くと私は、床にひざまづき・・・焦点のさだまらない視線をおよがしていました。

 私を避けるように人は、周りから消えていて・・・ビールにびしょぬれになった見えにくい
 眼鏡で観光のための中国語会話の本を探していました・・・。
 それは、私の持ち物で意思伝達のための重要な手段。そして、その時にいたっては、
 この窮状を救う、まさに命綱。
 しかし、それは、女の子たちの興味のネタとなっており・・・
 はるか向こうで笑い声とともに読まれています。

 まずい・・・。助けを求めようと兄貴分を探すも相変わらず役人の接待に忙しそうです。
 
 で・・・現地の駐在員はというと・・・むこうの方で女の子たちと嬉しそうに歓談しています・・。
 
 助け船もでないか・・・・これじゃ・・・。座の雰囲気を壊さないよう・・そっと・・帰ろう・・。

 ところが、さっき、服を脱がされていたので・・・上着がありません・・。よく見ると・・
 広い部屋の片隅の暗いところに投げ捨てられています・・。くそ・・・取りにいく気力も
 湧きやしない・・・。

 どうする・・・。そんな時でしした・・・。急に周りの音が消えました。そして、自分の耳に
 心臓の鼓動の音だけが鳴り渡りました・・。ドクッ、ドクッ・・ドクッ、ドクッ・・。そして、目の前が
 急に暗くなり始めました・・・。

 まずい・・。

 以前もなったことがあるのです。以前、なったときは、聴覚と視覚が全く機能しなくなり
 心臓の音だけが延々と鳴り続けていたのです。

 あの時の現象だ・・・。前回は・・・本当に逝きそうになったな・・・。

 ここは、中国だ・・・。オレは、日本に帰る!誰が文鳥の面倒を見るんだ・・。
 絶対に帰る!文鳥は、死なさん。オレは、帰る!

 なんとか、心を強くもち、心臓の鼓動の呪縛をなんとか持ちこたえたものの・・・
 私には、なにかを行動するだけの気力は、とても出なかったのです・・。

 その時でした。入り口に徐(ジョ)兄さんの顔が見えたのは・・。

 「木枯らし~、いるか?」

 とイッパイ機嫌でいつまで経っても帰ってこない私を
 連れ戻しにきたのです。そして・・・彼が私を発見したとき・・

  「△■◎☆△■◎☆△■◎☆!!(中国語)」 

 とんでもない大音声が部屋中に響き渡りました・・・・・。座がシ~ンと静まります。

 徐兄さんは、私と同じくらい酒が強いのです。初対面で酒を飲んだとき、それですっかり
 意気投合して、最初に兄弟の杯をかわした人です。

 徐兄さんは、大声でなにやらわめき散らかし、私にビールでびしょぬれの服を着せ
 脇に抱きかかえ、憤怒して私を連れ出してくれたのです。いつも優しい笑顔のおとなしい
 徐兄さんの意外な面でした。

 助かりました・・・・。徐兄さんは、私を抱きかかえながら、何度も何度も
 わめいてました。

 それは、「しっかり、しろよ」と言っていたのか「こんなになるまで酔っ払いやがって・・」と
 いっていたのか・・・・中国語が少ししか理解できない私には、それがどちらなのか・・・
 さっぱり、わかりませんでした・・。

 私の窮状を伝え聞いて、これまた兄弟の杯をかわした弟分もかけつけ、私は、ホテルの
 部屋まで運ばれたようです・・。

 その晩、何度も何度も激しい嘔吐を繰り返し、トイレで吐いては寝て、吐いては、寝てを
 繰り返したことをおぼえています・・・。

 そして・・次の朝、ベッドで目が覚めました。

 私は、あっ・・寝坊した、早く会社に出勤しなくっちゃと飛び起きました。
 ところが周りを見渡したところ・・。全然、知らない部屋にいました。

 ここは・・・何処・・?
 
 その時、枕元の置き電話が目に入りました。
 とてもスタイリッシュだけど・・・とっても安っぽい赤い電話でした・・・。

 その時、初めて、記憶喪失の人間が無くした記憶を取り戻したかのように
 自分が中国に滞在していること、ここは、ホテルの一室であることを思い出します・・。

 そうか・・出張中だから・・・会社に出勤しなくてもいいんだ・・・。

 洗面所に行き、顔を洗います・・。お腹減ったな・・・。

 しばらく、ベッドに座り、昨夜の記憶の淵をたどっていきます。
 吐き続けたのが良かったのでしょうか・・。二日酔いは、ありません。

 部屋の窓から美しい日差しが差し込んでいて、窓の外の木には、小鳥が止まって
 美しく鳴いていました・・・。


 いい朝でした。   なにもかもが洗い流されたような・・。


 教訓: 楽しくないお酒は、よからぬ事が起こる前にやめましょう・・。


                                            (おしまいなのですっ)


 
by simarisu10 | 2008-03-24 18:59 | 平社員営業フロア
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