木枯らし平社員、最後?の事件 最終話
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 ↑ 若き日の木枯らしの趣味で作った・・なんちゃって海老フライ

 
 木枯らし、最後?の事件 その4 から続く


 今回までのあらすじ

 海老フライフェアが、始まったとたん・・・ストックしていた在庫がゼロになっていまった平社員。
 さぁ・・・どおするのです。

 
 平社員、四国勢にお願いをします。日曜日も生産できませんか?日産の生産数量が、今よりもあがりませんか?

 かなり切羽詰まっています・・・・お願いします・・・。詳細は・・・・これこれ、しかじかっですっ。

 ところが・・・・私が、全部をいうまでもなく・・・・返ってきた答えが・・・

 「うん・・・・次の日曜日は、ゴルフだな・・・。でも、昼過ぎには、終わるかな。若手と休日出勤手当で釣れるやつで
 生産しよう・・・。う~ん、だけど次の日曜は、朝から雨な気配が濃厚だな・・・。こりゃ、朝から生産しなくちゃ
 いけんかもな・・・(笑)」


 「馬鹿いうな、なんのために役立たずどもを雇っていると思っている。顧客のニーズに応えるためだろうよ。
 こんな時にやつらを使わんでどうする。残業?休日出勤?なんでもござれだ。こんなニーズに応えるために
 役立たずどもを雇っているんだ。心配するな。 えっ、残業割り増し、休日出勤手当? 最初に貰うものは、
 貰っている。そんなの原価に換算してもしれてる。気にするな。稼ぎ時だっ」


 「わくわくしちゃってさ・・・・。木枯らしちゃんの仕事で同業が、一生懸命だろ。なんか、俺もやらなくちゃ
 いけないって・・・。眠れなくてさ・・・わくわくしちゃってさ・・・・。気づいたら、朝の6時に工場に入って
 一人で作業してたよ。うん、2000匹、一人で加工した。なんか、昔に戻ってみたいだよ。」

 「えっ!そうだったのか・・・急ぎの他の仕事、入れちゃったよ・・・・よし、待ってろ・・・何とかする。なんとかするから
 待ってろ。」

 「なんか・・・昔に戻ったみたいだよ。 昔は、無理難題、言われてたな。ああっ、それ、やってみるよ。
 昔は、よくあったことさ。気にすんな。」

 さすが・・・今は、なき加ト吉社の作った地盤です。 職人の心構えがちがうのです。

 なんか、無理難題が、皆を燃えさせているかのようです。職人魂に火をつけたような感じです。

 成果は、ありました。

 木枯らし・・・・窮地を脱しました。というか・・・脱しさせてもらいました。

 そんなことが一週間も続いたでしょうか・・・。

 指揮官 A氏から、今残っている原料の加工を最後に四国勢の加工撤収の指示がでます。

 ど~やら、海外加工のB氏、意外にも早く、トラブルを解決したようです。
 
 A氏に聞きます。トラブルを解決したのは、いいですが・・・どうやって日本に運びます?船便でも2週間。

 「エアーで運びます。」 えっ?エアー? (※ エアー → 航空便)

 「エアーで毎日、運びます。」 「うそっ!」

 電卓で計算すると、エアーで飛ばすも 四国勢のコストも大してかわりありません。

 それなら・・・・士気の上がっている四国勢をとおもうのですが・・・。

 「現地の方が、クォリティが、違いますし、ニーズにあっています。」とのこと・

 これは、私の認めるところです。

 う~ん、海外のB氏の野郎、こっちの想定外の仕事をしてくれました。こちらは、士気のあがった四国勢で
 一気に畳みかけるつもりでしたが・・。
 
 所詮、先鋒。あとは、海外勢の本隊に道を譲るのです。

 一番、辛かったのは、各社には、説明は、してたものの・・・・この仕事が終了になることを告げることでした。

 みんな、「良かったな」と言ってくれるのです・・・「また、声をかけてくれよ」とも・・・・・

 しかし、私は、皆と仕事できるのが、これで最後の予感がしたのです。
 
 これだけ、頑張ってくれた皆さんに・・・私は、なんと申し開きしたらいいのでしょう。

 皆さんの職業を追いやった海外加工連中の穴埋めをしてもらっただけなのです・・・。

 ごめん・・・・心の中で言いました。

 その後,海老フライフェアがどうなったかは、知りません。 
 あまり、自分の仕事以上のことを詮索しないのが、業界のルールです。

 したがって・・・・四国勢も私もフェア結果は、知りません。 ただ、再び、お呼びがかからなかったことは。

 うまくいったのでしょう。

 もっとも・・・海老業界の有名人 B氏なら、きっと、やったにちがいありません。
 
 とりあえず、先鋒としての役目を四国勢にやっていただいたのです。 のるかそるかで勝負して”勝利”です。

 しかし・・・それを伝えることもできないのです。後半部分は、私も知らないのですから…。

 あとは、各社と話し合って お金の計算です。


 すべてが終わった後・・・指揮官A氏が、やってきました。 そして、お互いの金勘定が済むと・・・・私が、駅に
 送ります。

 おや・・列車がやってくるまで・・・時間があるようです。当然、一杯飲みますかという話に・・・

 「A氏・・・今回の損は、だれが、持つんです?」
 
 「B氏とC氏、もともと、そちらの失策です。もっとも、私も付き合いで損しますが・・・木枯らしさんは?」
 
 「たった30万ばかり。いただきましたよ(自嘲)」 

 「損でなくてなによりです。」

 「なんで、B氏とC氏の失策をA氏が?」

 「最初は、私も断りました。・・・・実をいうと・・・×××な事件を抱えている真っ最中でしたから。
 でも、再度、依頼が来たとき、受けました。」

 「また、なんで?普通××の事件なんか持ってたら、今回のこと引き受けるどころじゃない。」

 「それが、仕事だからです。」

 このとき・・・・私が女性なら、間違いなくA氏に惚れたでしょう。ジ~ンって感じです。

 「木枯らしさんが、大変な事件に巻き込まれているのは、知っていました。すみません。でも・・・
 それでも・・・必要だったから・・・・・。」

 いや・・・・そっちも凄いだろ・・・・。その事件。

 A氏「 悪いことのあとには、必ず、良いことが来ると信じています。そうでなきゃ・・・この業界、生きていけない
 じゃないですか・・・・。」

 確かに・・・・・。確かに・・・・そう思わなくては・・・エビ業界、生けては、いけません。

 そのあとは、二人、ほぼ、無言で飲んでいました。

 そうこうしているうちに電車の時間になります。

 「それでは、また」

 「それでは、また」
 
 ライトな挨拶で背を向けます。

 私は、その時に決めたような気がします・・・。
 
 厄介な仕事は、二度とごめんだ・。結局、私は、四国のみなさんを利用したにすぎません。

 今後、二度とこんな仕事を受けないと・・・・。

 その後、しばらく、厄介そうな依頼には、一切手を出さず、平穏に生きていこうと思って
 いたのですが・・・・ なかなか、そうもいかないようです。               (Fin)

 

 

 
by simarisu10 | 2016-03-11 01:18 | 海老の倉庫
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