平社員、最後?の事件  その4
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 平社員最後?の事件 その3より続く


 前回までのあらすじ・・・

 エビの大量加工をすることになった平社員・・四国のエビ加工会社を回るのですが・・・それは、かつての
 姿を保ってはいないことを気づきはじめました。



 結局、残りの3社も同様にして、商談していったのです。

 なかなか、安請け合いしてくれない会社もあったのですが・・・。

 その日、商談して、了解を得た会社の一日の加工数量を総計してみます。

 さらにフェア開始までのの生産予想数量。

 指揮官のA氏にその数字を見せます。A氏の表情から・・・あまり、良い数字とは、言えないようです。

 その日は、全員、夕刻遅くに高松駅で解散したのです。

 驚いたことに 去り際に大手のO氏が・・・私に対して、本当に深々と頭をさげてくれたのです。

 ”木枯らしさん・・・・本当にありがとう”と・・・

 ”今度は、木枯らしさんの提案でメニューを組んでみたいものです”と。

 いや、驚いたのは、私の方です。 さっきまでは、割のあわない仕事・・・とか考えて、
 
 俺って・・・お人よしだよな・・。なんて考えていたにも関わらず、相手に深々と礼をされると、
 逆に ”いえ、どうしまして、また、なにかお困りの際は・・・”
 なんて心にもない言葉が自然に湧き出て、ぴょこぴょこ お礼をしてしまうのです・・。

 変人、木枯らし平社員・・・・こんなとこは、自分にも日本人の血が通っていることを思い知らされます。

 さて・・・・二日後、金沢に帰った平社員は、猛烈に忙しくなります。各工場の生産数量にあわせて
 トラックで原料を送り込んで、早速作業にかかってもらわなければ、いけません。

 私が、四国の業者の窓口です。原料を放り込んだ その日。作業にとりくんでみた各社から、
 説明不足だった点について何度も電話がくるのです。

 私も細かいことは、わからないものですから、A氏に確認をとり、伝達すること始終。朝も夜も関係ありません。
 中には、

 ”やっぱり、どうしても、既定の長さまで伸ばせないよ~”という泣き声が・・・。

 そこで、電話で丁寧に丁寧に説明するのです。
 たいてい、そういうところは、最初の切れ目の伸ばし方が、甘いのです。
 
 と思えば・・・”おっ、今日は、朝から2万尾仕上げたぜっ”などと嬉しい報告もきます。

 数日して集計すると・・・・う~ん、まずまずかな・・・という感じ。出来た製品を回収するトラックを仕立てて
 各都市部の物流センターに納品します。

 A氏に数量を報告するも・・・・あまり、喜ぶ気配が、ありません。私も総数量が、わかっているので
 気持ちは、わかるのですが・・・・相手は、機械でなく人間です。飛び込み仕事にしては、よくやっていると
 私は、思うのですが・・・・。

 しかし、その反面、フェアの開始日が、刻一刻迫っているのも事実です。

 四国の各社の出来上がりサンプルを C氏に送ったところ・・・製品の品質について、うるさいほど指摘があります。

 てめぇ・・・あんな、30分くらいで指導で完全なもの作れというほうが、無理だろう。
 それとも、品質面を完全にすれば数量が落ちるが、それでもいいのか?私は、欠品させた方が
 クライアントに迷惑かけると思うぞ・・。

 そもそも、製品にケチをつけるのは、簡単。数量面を優先で私が、なんとかしているんだから、せめてO氏に
 頭さげて、”現状では、これ以上の品質は、生産数量を落とすことになります。”くらい言って
 話つけろ~~!

 と怒鳴りたい気分です。

 たいてい、最初は、うまくいかないものです。ところが、人間というのは、不思議なもので作業に慣れだすと
 最初は、とんでもなく難しい仕事が、なんとなくやれる→普通にやれるようになる という流れになると
 品質面と生産効率が、自然にあがってくるものなのです。

 実際、そのとうりでした。 開始、数日後には、品質面と数量面は、共にあがり、数量的な問題も
 解決できる雰囲気になってきたのです。

 指揮官A氏も四国の窓口の木枯らしも・・・・これは、”いける”という雰囲気になってきました。

 いよいよ・・・フェア開始の2日前です・・・。前日までの店舗納品が、最初の納品なのです。

 なんとか、最初の壁をしのぎ切ったぜ・・・なんて、思っていたら・・・A氏から夕刻遅く・・・電話があり・・

 ”木枯らしさん・・・・生産をもっと上げてください。日曜日も生産させるようにしてください。さらに明日の生産分
 トラックを使わないで、直接店舗に送ってください。リストを今から、送ります。”と冷酷非情な声が・・・。

 ”なにがあったんです。少なくてもフェアの一週間分くらいは、あったでしょう?”

 ”最初の一日の店舗発注数量分で在庫がゼロになりました。正確に言うとマイナスです。ですから
 足りない分を宅急便発送でしのぎます”

 おいおい・・・・おいおい・・・おいおい・・・なのですっ。

 まっ、フェアの最初は、店舗は、どの程度売れるかわからないので、多めに発注するのですが・・・
 それでも一日でなくなるとは・・・。まるで予想外です。

 さらに翌日、フェア開始の当日の夕方・・・・さらに追い打ちが・・・・

 ”初日の予想販売数量の120%が、売れました。どうも・・当たったようです。生産数量をあげてください。
 欠品します”とのこと・・・。

 ど~する、木枯らし平社員。 私は、穏健派です。あまり、無理をいうのは、好きでありません。
 
 と言っても、ここまでやって、事を水泡に帰すのも芸がないのです。

 ど~せ、店舗が、売り上げノルマ達成のため、ここぞと 「本日から、山盛り海老フライフェアを実施しております。」
 と店員に声掛け運動でもして、単価の比較的高い エビフライを勧めさせたに違いない・・。

 と勝手に妄想を膨らませます。

 えええいっ・・・ままよっ!

 こっちも各社に”声掛け、お願い運動だっ!” と電話を取り、懇願運動するのですっ・・・。

 ところが・・・・結果は、意外な方に転がり落ちていくのです。      (続く)
 



 

 
 
by simarisu10 | 2016-03-09 22:50 | 海老の倉庫
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