THE HOLIDAY DOWN (第2話)/ブログ1周年記念企画
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すいません・・・飲み会の嵐のため・・・・とてもではありませんがアップ不能でした・・・。

 

  第1話 続きより


特殊レンズを返し終わった帰り道。私たちはプレスセンターの近くにある小さな公園のベンチに
腰を降ろした。もう黄昏てきた。前を通る車。ラッシュ。銀色のプレスセンターのビルの多くの窓に
灯がともり始める。

 「あのね。」彼女は話す。「朝の山手線に乗ると、いろんな人に会うわ。スシ詰めの列車の
中には、目の輝いている人が何人もいるし、外の景色を眺めているとアスファルトを走る車
や人が見えるの。あれを見ているとね・・・生きてる臭いを感じるんだ。私、力が涌いてくるように
思うの。」

 「この業界にいるとね人が、いっぱい死んでゆくのがわかる。良く分かるの。明日にでも、
誰にでも死ぬ可能性はあるの」

 「東京は、いいところよ。でもね、もっとね、自然にひとが、ふれあう所があってもね、
いいと思うのよ・・・。」

 前の道を行き交う車が、ヘッドライトを点けはじめた。赤信号、車の列が止まった。静けさ。
彼女がゆっくり私を見て、耳元に口を寄せてきた。にごった風。

 「私ね、人を殺したの、2週間前、本当よ・・・。」

 車の列は止まったままだった。あたりが真空のようだった。

 「人を殺したの・・・・。」彼女は真剣だった。ベンチに座った彼女。私は、彼女をのぞき込んだ。
口をきかないで止まっているように思える時間が過ぎた。青信号、とても長く続く時間が
続いたあと・・・また車が走り始めた。

 そして、彼女は沈黙を打ち消すため、足をゆらして静かに歌い始めた。

「♪TELL ME WHY I DONN`T  LIKE MONDAYS  THAT WAS SURE,
              THE HOLIDAY DOWN.」

 ブームタウンラッツの歌の一小節だった。






   「へんな事を言って、ごめんね。」

 彼女はベンチを立ち上がった。「でも、本当の事よ。」とどめをさすように浅く笑った。

  「明日、帰るんだっけ、三重に・・・。今晩、私とつきあって・・・・。いいでしょ・・?」

 私たちは、夜の10時に上野の駅で落ち合う事に決め、一度それぞれの場所に戻る事に
した。

 暗くなりかけた空。目の前に1つのポリスを飲み込んだような、光の洪水を身につけた
プレスセンターがそびえていた。」

 テレビ局の東京支社に顔を出すと同行のディレクター達はすでに飲みに行ったあとだった。
「気がむいたら、ここにこいよ~」という私宛のメモを残して・・。

 バイトながら、レギュラー番組を数本持つ私は、社内で顔が利くのがなによりだった。
 私は会社に保存されているおびただしい新聞を・・・2週間前を中心に・・調べ始めた・・・。
 東京支社の社員は私を特に不振がる様子もなく、私を好きなままにしてくれていた・・。
 そこに、私の担当番組の山田ディレクターと仲のいい・・・石原プレスがやってきた・・。
 昼間、銀座の消防訓練を取材していた人だ・・・。

 「おい、若いの・・・俺の同級生の山田の野郎はどこへ行った・・せっかく東京に来たんだ
今日はとことん飲むぞ・・・・」

 「山田さんなら・・・ここにいるそうですよ。」私は、先程のメモを渡した。

 「若いの・・・一緒にいこうぜっ!今日はノリノリでいこ~」
 「あの・・・私・・・調べ物が・・・。」
 「はぁ・・・・何を調べているんだ・・。」
 「ああっ・・東京はよく人が死んで・・ゴシップになることが多いから・・・感心してて・・・
三重じゃあまり、こんなことないから・・・」
  
 「偉い!坊主・・・そのとうりだ・・・・東京は人が死にすぎだ!」

私は・・・もしかしてと・・・石原プレスに、それとなく、とても遠廻りに身近で起きた人が死んだ
事件を尋ねてみた・・・・・。石原プレスが上機嫌で喋ってくれた話の中に私が欲しいと思う情報が
あった。それは・・ 石原プレスの会社の隣にある事務所の夏樹さんの会社の交通事故だった
時計は9時をさしていた・・・・。そろそろ出かけなければいけない時間だった。

  (第3話に続く)
by simarisu10 | 2005-06-05 23:31 | 局ネタ
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