捜鳥記5
 

   捜鳥記

<第5話  突然、鳥だらけ・・・・>


<第4話: 暴走(後半)より続く>

「あ~~っ、次長・・・部長と喧嘩してはいけません!部長は次長と仲良くしたがっているだけ
なんですから・・・」

「あ~~、部長も次長をあおってはいけません・・・ふぅ・・・・」

2匹の文鳥が私の肩の占有権を主張して、争っている・・・と、いうより、ヂュン次長が
近寄ってきた部長に対し、私の肩をテリトリーであると言っているのだ・・・。

チュン部長とはぐれた夜、江坂のペットショップで買った白文鳥はヂュンヂュンと名付けられた

ヂュンヂュン=ヂュンの二乗・・・・転じて、ヂュン次長である。

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最初は見る影もなく、汚かった次長も、たっぷりの餌と青菜と水浴びで・・・少しは人前に
出れるようにはなった・・。

買ってきたのはいいが、荒鳥(人になつかない文鳥)の気配があった。私の手から逃げ回る
のである・・・・。しまった・・・・・軽々しく買うのではなかった・・・・と思ってもあとの祭りである。

少しは馴れてきたな・・・と思った時、ヂュン次長に対して、ある事を思いついた・・・。
よく、チュン部長とやっていた遊びであるが・・・・私は、文鳥の前でもだえ苦しみながら
死ぬ真似をしたのである・・・・。

なんと・・・効果はてきめんであった・・。次長は心配そうに私の周りを長い間、チュンチュン
鳴きながら跳び回った。

むっくり、起き上がる私を見て・・・・喜んだのか・・・私の手にチョコンと乗る。私は、そのまま寝て
しまった・・・。起きた時には、次長は、まだ私の手の上で居すわっていた。

それ以来、次長とは大の仲良しになった。

さてさて・・・次長の喧嘩相手の部長であるが・・・・・。

ピョン部長である。↓

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当初、ヂュン次長では、チュン部長の代わりを勤めることは出来まいと思い、何軒もの
ペットショップを周り、やっと、これなら・・・チュン部長の後任に適格と判断した
桜文鳥の中ヒナである。

ピョン部長はホームセンター コーナン東淀川区店の出身である。文鳥を求めるなら
おすすめのお店であるっ!

ペットコーナーには、文鳥好きの・・可愛い~~~若いお姉様がいらっしゃるのであるっ!
多分・・・文鳥の中ヒナと毎日、遊んでいてくれたのであろうか・・・・。

ピョン部長さまは・・・・人も羨む・・・「握り文鳥様」なのだっ!私の手の中でスヤスヤお休み
になられるのであるっ!他のヒナ達も相当人に馴れており、ピョン部長様以外でもハズレは
なかったであろう。このペットコーナーでは、文鳥の素晴らしさを伝える貼り紙がしており、この
お姉様の丁寧な想い入れが感じられる。

あっ・・・・部長・・・・・早速、初仕事でございますっ!

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なんと、ベランダに・・・鳩の夫婦がすみついて・・・・卵を生んでいるのでございますが・・・。
私め、平社員と眼が合うと、逃げ出していって・・・もう卵は2時間、放置されております。
いかがしませう?

はっ・・・親鳥が戻ってくる可能性もあるが・・・・・とりあえず・・・・ヒーターで暖めよ・・・ですね。
名案ですっ!では、早速・・・・。

チュン部長がいなくなって・・・・狭い私の部屋には、2羽の文鳥と鳩夫婦・・・それに卵までが
いついてしまった・・・・・。いきなり、鳥だらけである・・・。

おっ、おっ・・・そろそろ時間ですなっ。私は外出の準備をし、管理職の2羽様に報告する。

「では、木枯らし平社員、只今、ひとろく、まるまる時より・・・恒例、チュン部長の捜索に
参ります。」

次長は薄目を明けてうなずき、部長は、羽をパタパタさせて応援のエールを送ってくれた。



私はチュン部長の捜索に出ながら・・・・いろんな事を思い返していた・・・。

暴走する身体・・・・まるで不眠不休で、私の意志を無視して歩き回る身体・・・。
私は、飲めるだけのアルコールを摂取して、自動的に起き上がる身体を止めようとした。

案の定、翌朝、身体は3時間も寝ていないのに関わらず、チュン部長を捜しはじめようとした。
私は、強度の二日酔いを利用し・・・起き上がった身体をグイとベッドに引き戻し、そのまま
耐えた・・・。この時、やっと暴走は終わった。嬉しくも悲しい瞬間。これを境にペットロス症候群
第3期「回復期」に入っていった・・・。

あ~、そうそう、泣き顔でパチンコ屋でひたすら大当たりを出し続けたこともあった・・・。
よく、パチンコ屋で迷い犬の掲示があるのを思い出し、パチンコ屋に入ったが
「文鳥を保護しました」などの掲示もあるはずもなく・・・・。
気晴らしにパチンコを打った所、座るやいなやの大当たり・・・。
大当たりは、そのまま止まらず、周りの人々の羨望の目を浴びながら、ドル箱を
どんどん、積み続けた。ところが・・大当たり中のパチンコの画面のつまらないこと・・。
いつしか、意識はチュン部長のことを想い、眼に涙を浮かべながら大当たりを連発したので
ある。この時の勝ち金は相当な額になり、あと少しも足せば、新型のデジカメ一眼レフ機が
買える金額であった。あの時は・・・この金くれてやるから、誰か、部長を私の前に差し出して
くれーと心の中で叫んでたっけ・・・。今となっては笑い話である。

ある、朝・・・・私はチュン部長から、メッセージを受け取った・・・・と思う。

人に話すと気味悪がられるのだが・・・・私には、そう珍しい事でもない・・・。
学生時代、ある体験をきっかけに この手のことは、よく起こるのである。
どうも・・・その経験は多数の人にあるらしく、政財界の著名人でも堂々と本に語っているので
人間にはそうした能力があるのだろう・・・・。

私はメッセージが差し示す場所に心当たりがあった。いつも捜索する河川敷の1地点である。
しかし・・・そこはチュン部長とはぐれた場所から・・・・少し離れている・・。

メッセージの指し示した場所・・・・そこには・・・・「迷い○○、預かっています・・・」の紙が、茂みに
隠れていた。

やった~~と思った。しかし、○の部分は草に隠れていた・・・。拾い上げてみると、○の部分は
犬だった・・・・。

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部長・・・・まさか・・・・私に・・・・このコーギー犬を保護せよと・・・・。

それから、私は河川敷の捜索の度に、この地点により風に飛ばされて、
どこかに落ちているこの紙を人目のつく場所に置くのが日課になった・・・・。
そうそう、私の受けたメッセージは他にもあった・・・が・・・。
うひひっ、それは・・・秘密である・・・(言えば気が狂ったと思われそうだ・・・・)

この・・・「捜鳥記」は、ペットロス症候群の発症の時間経過の記録とペットを回収し損ねた
失敗例の記録である。相当、赤裸々に綴っている。
ペットロス症候群は、発症から回復まで4期に分類される。この「捜鳥記」では
1期目の「ショック、事実の否定」段階と2期めの「極度の悲しみ、絶望」段階を書いてある。
今回の症例は、ペットの死が確認できない、厄介なパターンである。

こんなものをツラツラ書いた理由は・・・・私自身が・・・そういう例について述べた資料が欲しかっ
たからである。しかし、ネット上では文鳥に逃げられて、ペットロス症候群になってからの
時間過程をしめした資料がなかった。だから、自分が作ってみた。同じ境遇の人達に役立つ
よう・・想いをこめて。

だから・・・資料として通用するように、恥ずかしい部分も晒してみたつもりである。

また、これは私が感銘を受けている、得意先の社長の文句であるが・・・

「失敗からは得るものが多く、成功からは得るものが少ない・・・だから、人の失敗例を
トコトン聞くのだ・・・・」

ということである。「捜鳥記」は失敗の記録だ・・。

今回の「捜鳥記」の例を見ると、まず初動がまずすぎる。パニックになり、理性を失い
効率の悪い事だけをしている。文鳥の捜索方法は私より文鳥に詳しい人たちがHPで
方法を紹介しているので、これを書く事は私は遠慮しておく、しかし、今回の失敗パターンから
簡単に分析したことを述べると・・

① パニックは当然、しかし・・・そこで自分と戦い、理性を取り戻せ。初動を理性的に
   動けてこそ愛鳥は貴方のもとに・・

② 出口を押さえろ。文鳥は逃げたその時は地点から50メートル、いや25メートルの範囲内に
   いる。落ち着いてインターネットで地図を打ち出し、25メートルの円を描き、さらに飛んで
   行った方向を考慮すれば・・・・捜す個所は・・・・意外に狭い。そして、貼り紙を貼る。
   場所は、付近の動物病院、ホームセンター、ペットショップ。鳥を保護した人がいるとすれば
   鳥の手当て、鳥の餌の購入などで、これらの場所に必ず立ち寄る必要性がでる。

③ パニックからつながる、ペットロス症候群は・・・・理性では止められない、必ず正気な人に
  そばにいてもらおう・・・・・。

以上であろうか・・・・。

ちょっと・・・尻切れトンボでもあるが・・・・。

私のネット仲間の言葉を借りれば・・・・・「もう、眠いから、今日は寝る・・・」てな・・・ところで
あろうか・・・(笑)

この「捜鳥記」、次回、公開の<最終話:痛風再び・・・ >でおしまいになります。

いろんな方々から、心配のメッセージやお言葉をいただきました・・。ありがとうございます。
by simarisu10 | 2005-05-10 23:55 | 捜鳥記
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