そういえば・・シンガポール 最終話の手前
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 そうですね・・。ど~こかぁ、と~~ぉ~くにいき~いぃ~たぁ~い。ですね。



  そうえいば・・シンガポール 最終話の手前なのです。
  (本当は、今回で最終話にしたかったのですが・・・)

  シンガポールでは、めずらしく、飲んだくれも・・・男の夜もしない 木枯らし平社員なのです。

  2日目は、早く寝たおかげで 朝早く起きることができたのです。

  この日は、日曜日、シンガポールの朝は、いいのですっ。

  
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  街に緑が多い・・・というか・・・巨大な樹木が多いのです。これは、強い日差しをさえぎる効果と
  いつ降り出すかわからない、スコールよけのためでもあるのです。
  
  本当、樹木と街が一体化。中には、樹齢百年くらすの老木まであるのですから驚き。

  さて・・・いよいよ、最終日、シンガポールに持っていた1200匹のカニと300kgの冷凍あまえびは、
  全部、売り切ることができるのでしょうか?

  すっかり、英語脳化している平社員。日本にいるときなんて英語が、まるで喋れないのですが・・・
  外国に行くと、そこそこ喋っているのは、不思議なものです。仕入先のインポーター(輸入会社)の
  社長に聞いたら、必要に迫られると、普段、使わない能力が表に出てきて、自然と喋るようになると
  いっておりました・・・。私も そう思います・・。

  伊勢丹の売り場にいくと、すっかり身体がなじんでしまって・・・

  おせっかいながら、他のコーナーの商品陳列を勝手にやってしまいます。
  開店20分前だというのに 陳列が荒れ放題。若い頃の経験ですばやくラーメンのコーナーを
  まとめていきます。

  わっ・・・品切れが放置してあるところが、ほったらかし・・・・日本じゃ、考えられない・・。

  と思ったところ・・・なんと、開店開始の20分後に、従業員が商品の補充を始めているじゃ
  ないですか・・・。これは、労働時間の契約により、時間外労働の手当てを払わないため
  効率の良い、働かせ方をさせているからなのです。日本人みたいにサービス残業なんかしないのです。
  だから、開店の準備時間から、閉店の片付け時間まで働かせることができないので、効率の良い
  時間帯だけを働かせるのです。

  英語脳な平社員、従業員の女性に話しかけ、日本の商品の売れ筋を聞きます。
  インスタントラーメンは、どれが 売れている?と聞いたら・・・この、コーナーじゃ、
  「うまかっちゃん」かな・・・と言います。

  「えっ?!」 日本のサッポロ一番は?「全然だめ」とのこと・・・他には、なぜか 抹茶ソバも人気。

  でも・・・もっと凄いのは、

  出前一丁と明星ラーメンとカップヌードル。 これは、売れている順番です。
  人種を問わず、買って行きます。出前一丁と、明星ヌードルは・・・。だから・・・この3種は、
  専用売り場が、あるのです。

  
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  ↓ これ分かりにくいけど「明星」ヌードルです。

  
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  明星ヌードルは、日本とガラッとスタイルが違うので はじめは、そうだと分かりません。
  それに・・・日本では、見たことのない「出前一丁」や「カップヌードル」です・・。

  海外で人気になっているのは、知ってましたが・・・、まさか、ここまでとは・・・。

  カニのコーナーで売り込みをするぞと 意気込んでいたら・・鮮魚コーナーから
  「もう、売らなくていいから・・・」との事。
  
  すでに2日目でカニは、持ち込みの半分以上、甘えびにいたっては、あと数十キロ程度。
  フェアは、10日間あるので・・最初の3日で 売り切れは、「まずい」との事。
  さらに甘えびは、日本から持ち込むのは、手間なんで、普段、使うように置いておきたいとの事。

  と・・・・なれば・・3日目は・・「遊び」 です。 気楽にやることにします。

  初日の大恩人の シャーリーンさん(女性)が、今日は、きています。
 
  「モ~ニン!」(Morning) と手を振ります。 と・・・・シャーリーンさん、寄って来て、
  「あんた、今晩、私と一杯やらないか?」と誘ってくださいます。
  「Sorry・・・tonight,I will go to Japan・・」と断ざるをえません。 すみませんね・・。
  
  カニ売り場の 相棒 ブレンショー嬢に あまり、がんばらなくていいからとジェスチャーとブロークン
  イングリッシュで伝えます。
  
  ブレンショー嬢、何回見ても美人です。ちょいと・・無駄話も始めます・・。

  そう・・・イタリアンとチャイニーズのハーフなの・・。どうりで・・。 えっ、広東語は、だめ・・中国語は
  北京語だけ?(シンガポーリアンは、7ヶ国語くらい話せる人は、とてもざらにいるのです。)
  生粋のシンガポーリアンなら、中国語と英語は、両方話せるようです。
  なんで、ハイスクール行かないの?えっ、それは、言いたくない・・。はい・・ブレンショーって
  ニックネーム? そう、やっぱり・・。で、どういう意味?顔を赤らめて恥ずかしそうにしています。
  相手が話したくないことは、聞かない主義なので聞きません。
  
  今度は、逆にブレンショー嬢から、私に物いいです。 

  えっ、BOSS(私)の 1ピース $15(ヒフティーン)は、$50(ヒフティー)にしか、聞こえない?
  そりゃ too expensive なカニだ。 Fの発音が、悪いって?

  ブレンショー嬢が、自分の唇を指差して、フッ~と発声します。私も真似て、やってみるのですが
  何度も駄目出しをやらされてOKをもらったところで 15(ヒフティ~ン)と発音してみると
  ブレンショー嬢が、「こりゃ、だめだ~」っという表情をしながら、「まぁ、さっきより良くなった」と
  いってくれます・・・。
  
  なんか・・・世話女房の素質あるぞ、ブレンショー嬢・・。私が、15の発音をすると営業妨害に
  なるようなので・・・なるべく「2ピース $25」と言うことにしました。1匹 $15、2匹で$25なのです。
  
  すっかり、リラックスしていると アングロサクソン系の白人に 声をかけられます。
  「美味しい味噌スープを買いたいのだが、君がチョイスしてくれないか?」との事。

  一日、何時間も客と猛烈な英会話をしているうちに ヒアリングもかなりの向上してます。

  どれどれ・・・まぁ・・・また、マイナーなブランドの お味噌ばかり揃えていること・・。
  白ミソがいい?赤ミソがいい? えっ?! あわせミソがいい!? なんで あわせミソなんて
  日本語知ってるの? なんて、話しながら・・・イチビキの無添加の合わせミソを選んであげます。
  「It's traditional  ア・ワ・セ・ミ・ソ」と言いながら。
 
  なんてやっていると、別のお客が・・「赤ミソは、どれ?」と聞いてきます。
  おっ・・・カクキュウの八丁味噌が あるじゃないですか。NHKドラマで宮崎あおいさんの働く
  モデルになった味噌屋さんで、名古屋在住時代も、このカクキュウの赤味噌が好きだったのです。

  選んだ、赤味噌を差し出すと・・・ど~も違うと言う顔のチャイニーズ系の夫婦。
  
  どうもデザインが、他の味噌に比べて地味なので・・・美味しそうに見えないみたい。
  派手なパッケージばかりの味噌を手に取ろうとします・・。(まっ・・・気持ちわかりますが・・・)

  今度は、白人の背の高い30歳くらいの人に呼ばれて・・「君の勧める、インスタント麺は?」と
  聞かれます。サッポロ一番の醤油味を指しますと
  「それは、美味しくなかった」との事。何味が好きなんだと言うと 「トンコツ」と日本語で言います。

  えっ!白人がトンコツラーメンが、好きなのか?!でも・・売り場には、「うまかっちゃん」しかないぞ・・。
  トンコツラーメン好きの私も真剣に考えます。「うまかっちゃん」は、美味しくない、もっと美味しいのが 
  食べたいんだと真剣です。シンガポールの 日本のトンコツラーメンの店でとりこになったらしいのです。
  
  しかしねぇ・・・インスタントに本格的なトンコツは・・・日本でもなかなかないぞ・・。
  この白人の気持ちが、同じトンコツ好きとして、よくわかりました。
  
  で、この売り場には、良いトンコツラーメンが、無いとはっきり言うと とても笑顔でサンキューと
  いわれて・・・なんか、心に暖かいものが沸きあがります。う~ん、この人に 臭くってあっさりで
  絶妙なトンコツを「粉おとし」で食べさせて、あげくのはてに「替え玉」を覚えさせてあげたいくらい。

  おそらく、彼の言う店は、「一風堂」でしょう・・。

  
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  日本には、もっといい店、いっぱいあるんだが・・・・。


  さて・・・ここまで、長々と書きましたが、 最終話です。ここで前半を終わり、このブログの
  More機能を使い。最終話 その手前、後半に移りましょう。


  



  あと、シンガポールに滞在できる時間も あと、10時間ほど・・・

  やるか・・・やめるか・・・ まっ、やってみるか・・・後悔の残らないように・・・

  私は、試したいことがあったのです。日本で私がよく使う、日本風の呼び込み売りです。

  私の得意技の一つなのですが、シンガポール1日目、従業員相手に試験的にやってみると
  「危ない人」に見られたので封印していたのですが・・。

  私の売り口上が、シンガポールでは、どんな反応になるかを実験してみたかったのです。
 
  ブレンショー嬢に言います。

  「 Listen to me. What's do yo feel? good or bad.Please say me」 (いいか、悪いか聞かせてくれ)
  
  「What's?」 と聞き返す ブレンショー嬢。手で一度、制止します。

息を吸い込み、一気にいくのです。 腹から声をだし、大声で響きわたらせます!

  「さっ、いらっしゃいよぉ~いらっしゃよぉ~ カニやで カニやで! Boiled Red SnowCrab!
taste is very sweet! Direct From Japan! plain eat! This place ,Crab Market!
1 piece $15! 2 pieces $25! Come here! Come here! さっ!いらっしゃいよぉ~
  いらっしゃい、カニやで!かにやで!Very!Sweet!」

  私のとおる声は、店内に響き渡りました・・・・。 やっちゃった・・・・。

  ポカンとしているブレンショー嬢。 店が静寂につつまれました・・。ちょっと・・・まずかったな・・。
  やっちまったものは、仕方ない・・・。

  「How was? Good? And・・・No good?」 (どうだった?)とブレンショー嬢に聞きます。
  
  呆気にとられた表情で 小さく「good・・・」と言い、こぶしから親指をつきだしました・・・。

  そうか・・・悪かったね・・びっくりさせて・・・。

  しばらく、するとシャーリーンさんが やってきて 一体なにが起こったのか おそるおそる
  ブレンショー嬢に聞き始めます。

  「Good? No Good?かって? さっきのが?」と話し声が聞こえました。

  途端にシャーリーンさんが、大きな声で 私に向かって 両手を振り上げ 親指を突き出し

  「Good!Good!Once More!」 と言い始めました。

  えっ?もういっかいやるの?「Once More?」と聞いたら、シャーリーンさんが、頷きます・・。

  シャーリーンさんには、随分、借りあるしね・・。

  と・・・もう一回やるのです。

  今度は、本気で 日本仕込みの手拍子を交えて、楽しそうに歌うように やってみました・・。
  日本でアメ横と並ぶ 大阪の黒門市場で鍛えた、大声だけど客を散らさない、寄せ付ける為の
  呼び込みです。

  売り場が騒然としはじめました。

  今度は、シャーリーンさんが、別の同僚のマネキンさんから、何事かと聞かれています?
  訳を知った途端、その女性マネキンさんも 両手を突き出し親指をたてて「Good!」とのこと。

  それからが、大変です。

  私の事は、売り場の従業員の女性のネットワークを通じて、私の言葉が伝えられてしまったようです。
  どうやら あの日本人が あの大声の売込みを 良いか悪いか 感想を求めているようだ・・・と・・。

  気づいた頃には、私は、増えて行く女性従業員に「Once More!」 と叫ばれ、その後「Good!」と
  やられます。

  新しい従業員が、来るたびに見せてやれとばかり、みんなに「Once More!」と口々に言われます。
  
  すでにコンサートのノリです。

  何回、やったでしょう・・。相当、やらされました・・。 お客さんもなにかのパフォーマンスだと
  思ったのでしょう。集まってきます。

  売り場が、騒然としているので こ~わ~い顔した、伊勢丹の現地のフロアマネージャーの女性が
  やってきました。私を止めるつもりです。

  ところが、シャーリーンさんが、フロアマネージャーを捕まえて、早口の英語でなにか喋っています。

  おおかた、「わたしゃ、日本で見たことがあるのさ、あれが、日本の本場のカニの売り方だよ。
  あれが、ジャパニーズスタイルなんだよ」とでも言っていただと思います。

  私も みんなに両手をつきあげられ、「Good!」を連発されるので、軽い興奮状態になって
  いい気になっていました・・です(笑)

  怖い顔したフロアマネージャーは、やがて、片方の肩をすくめるようにして「好きにしたらいいよ」と
  ばかりのジェスチャーをして、場を離れていきます。

  しかし・・・・そのうち、私も・・・声が枯れてきて・・・・「Once More!」 の声に対し、手をあわせて
  「I’m tired・・Please Break~~~~」とやりまして・・・。終わりにしました。

  名前も知らないシンガポーリアン達を巻き込んで・・・おもわず「なにか」を起こしてしまった私。
 
  なんともいえない充足感と心の暖かさを感じます。
  日本出発まで残り8~9時間になった寂寥感もまざって・・なんとも・・・なんとも言葉にできない
  感動にひたっていました。

  私の事を見ていた一人の若いダイナマイトボディの女性従業員が、上手にウィンクして
  早口に何かをいってくるのですが・・・早口英語は、わかりません・・・。

  好意的な事をしゃべっているのは、わかるのですが・・・。 「Sorry・・・」というのもなんなので

彼女のダイナマイトボディに対して「You are Sexy dangerous 」というつもりが

  「You are dangerous 」といってしまい。下手なウィンクで返したのですが・・・。

  とんでもなく、大ウケして、お腹をかかえて笑いながら・・笑いにヒクヒクして通路を歩いて
  離れていきました。
 
  いったい・・・あれは・・・どんな風に会話が成立して・・・あんなにウケたのだろう・・・?

  英語が自在に喋れたら・・・と心底思ったのは、その時でしたか・・・


                                            (最終話に続く)

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by simarisu10 | 2013-07-06 19:27 | 平社員営業フロア
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