そういえば・・シンガポール その2
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 いえ、ジョン部長代理・・・ピコ係鳥でチキンライスを作っても・・・採算があいません。

 シンガポールのチキンライス・・・あの、物価の高いシンガポールでも300円程度のものだったのですよ。


 シンガポールと言えば、チキンライス。でも・・・それは、日本のそれと大きく異なります。

 それは、おいおい本文中で・・・

 
 そうえいば・・シンガポール その2

 前回よりの続き

 伊勢丹シンガポールで カニを売ることになった 木枯らし平社員・・・。
 対面販売には、自信のある 木枯らし平社員もさすがに文化と言語の壁にはばまれ・・・
 想定外の大苦戦。

 一匹も売れないのです・・・。


 
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 シャーリーンさんのまくしたてる言葉から カニは、ベリィ~スウィ~ト (甘い)で売ることを覚えた
 平社員。

 早速、やってみるのです。

 Boiled Red Snow Crab、べりぃ~~すうぃ~~~と! Direct From じゃぱ~~ん!
 1cake $25~! べりぃ~~スウィ~ト オ・イ・シ・イ!

 おっ・・・お客さんが、こちらに反応しはじめました。 さすが、ベリィスィ~ト の威力でっす。

 しかし・・・それから、2時間語・・・やっぱり、一匹も売れない私がいました・・・。

 もう、呼び込みなんて や~めた。 とか、おもっていたら・・・・シャーリーンさんが、太った強面(こわもて)
 のインド人女性を捕まえて、 私のコーナーを指さしながら、一生懸命、説明しているのです。

 えっ・・・シャーリーンさん・・・(感動) えっ、、、関係ない私のコーナーのカニを売り込んでくれて
 いるのです。それは・・・なんと、本当に15分も続いたのです。
 私は、流暢な英語ができません。シャーリーンさんに加勢できずにお任せするしかないのです。

 心の中で「ありがとう」をくりかえしながら、笑顔で べりぃ~スウィ~ティ~ を繰り返す私です。
 
 結局、太ったインド人の女性は、カニを買っては、いきませんでした・・・。

 それから、しばらくした時・・・私は、驚きました。 また、シャーリーンさんが、さっきの太ったインド人の
 女性を捕まえて、私のコーナーのカニを指して売り込んでいるのです。

 えっ・・・外国で・・・いきなりで・・・こんな親切、初めてです。というか・・・なんで、あの女性なんだろ?
 おそらく?伊勢丹の食品売り場の常連で上客?

 あとで分かったのですが・・・彼女は、金持ちの家のメイドさんだったのです。
 夕食の献立で雇い主に 日本のカニが気に入ってもらえるかどうか、悩んでいたのです。

 で・・・・結局・・・やっぱり・・・買ってくれませんでした・・・。

 はぁ・・・・。日本に戻れんな・・。シャーリーンさん、ありがとうと 一礼しにシャーリーンさんのコーナーに
 行くと・・・親指を立てて ニヤニヤしているのです。はて?

 自分のコーナーに戻ると うら若き美人の女性がいます・・。Tシャツにジーンズ。 ただ、私のコーナーに
 私と一緒に立っています。

 美人です。若いです。

 私の 苦手科目は、「若い美人な女性」です。「若い」か「美人」のどちらかのキーワードが、外れると
 特に苦では、ないのですが・・・。

 ひたすら・・立ってます。一言も言いません・・。15分は、経ちましたか・・・。

 私は・・・・ハッ!と気づきました。 うちのコーナーのマネキンさん(販売補助員)だ!

 鮮魚コーナーの日本人に聞くと「そうだよ」とのこと・・・。

 ということは・・・こやつ・・・大遅刻したうえ、挨拶なしの自己紹介なしの・・・ええっ!!!!?
 
 私の苦手科目ながら・・・仕事は、仕事。 部下とみなし、カニを売らさないといけません。

 えっと・・・まずは、自己紹介からだな・・・

 お得意のブロークンイングリッシュで 

 ① 彼女の名前は、ブレンショー (うっ、そんな名前・・あったっけ?)
 ② 歳は18歳            (なんで、ハイスクールに行かないんだ?)
 ③ 日本語は、まるでわからない。
 ④ 相手は、緊張しているらしい・・。

 だめだ・・・・こりゃ・・・・。私は、中国人系のおばちゃんがマネキンさんと勝手に思い込んでいたのですが・・。

 よわったな・・・・と困っていること 数十分。

 いきなり、 シャーリーンさんが、やってきて・・・ミス・ブレンショーを捕まえて、
 少し離れた所に連れて行くのです。

 えっ・・・・ブレンショー嬢を 説教しているのです。途切れ途切れに聞こえてくる英語から
 
 「あんたねぇ~今、何時だとおもっているんだい?遅刻してきて、ぼけ~っとしてんじゃないわよ。
 いいかい、あんた、この仕事経験ないだろう?前にくる客を捕まえて、商品を説明して売りつけんのが
 あんたの仕事だ。いいかい、こういうふうに客の手をひっぱってまで捕まえて、売り込みな?
 わかってるかい?」

 ということを ジェスチャーを交えて 説教してくれているのです。すっかり、うなだれてしまった
 ブレンショー嬢。

 「まぁ・・・あんた、わかったようだから、元気だしてがんばりな!笑顔、笑顔」とでも言われたのか
 最後は、二人で笑っておりまして・・・ブレンショー嬢は、笑顔で戻ってきました。

 ふぅ・・・・何度も世話になるね・・シャーリーンさん・・・。

 よし!こちらも笑顔だ。 こいつだけは、全世界、共通だからなっ。と笑顔をブレンショー嬢に見せ
 二人で笑顔しあうのですっ。

 その時です・・・・あの太ったインド人女性が、やってきたのです。笑顔をふりまいている最中、
 気配も感じさせず、私の横に立っていたのです。

 「10ピース、〇△◇・・・」 

 「えっ?オーダー?」 すかさず、シャーリーンさんが よってきて カニを詰め始めます。えっ?えっ?

 さっき、シャーリーンさんが、親指たててニヤニヤしていたのは・・・あの時、売込みが成功していたから
 だったからなのです。生ものだから・・・一番、最後に買いに来てくれたのです。

 ということで いきなり10匹 販売・・・。唖然・・・ですっ。

 それを見て、興味をしめしたまわりのお客さんが、売り場を覗き始めます。そこで、すかさず
 ミス・ブレンショーが、たどたどしく、カニの説明を始めます。

 えっ?説明なんて、いつ、教えた?そうか、さっき、シャーリーンさんが、この娘にカニの説明を
 レクチャーしてくれていたんだ・・・。

 ありがとうございます。シャーリーンさん。

 あれ、また、オーダーが、入りました。私は、ここで 咄嗟に考えました。客の滞在時間を
 長引かさなきゃだめなのです。勝負は、ここです。
 
 ブレンショー嬢が、カニを詰め始めるのを制止しました。そして、お客の目をみて、うなずき
 私が、一匹、一匹、カニを手にとって ひときわ重いカニを選び。

 「It's GOOD!」と言いました。 お客さんが笑顔をみせてくれました。さらにそれを 油紙の袋に入れ
 レジ袋に入れ 値札を貼り付けます。

 と・・・すると・・・カニの爪が レジ袋を破り、飛び出しています。実を言うと、若い頃から、カニの年末販売は
 慣れていたので、「そうなることは、わかっていたのです。」

 そこで 爪を指さし「Oh! It's dangerous!(危ない)」と言い、飛び出した爪を折って
 さらに、もう一重レジ袋を重ねます。日本の特技「必殺、過剰包装」です(笑)
 
 そして、私は、肩幅に足を広げて 背中をまっすぐにして45度の角度でお礼をしながら
 相手にカニを手渡しするのです。
 
 若い頃に元スチュワーデスさんに教わった 相手に深い感謝を示すときのお礼の仕方です。

 この一連のパフォーマンスが終わる頃には、それを見物するお客さんがたくさんいました。

 それからです・・・売れ始めました!勢いが凄いです。人だかりがしているので、ますます、何事かと
 人が集まってくるのです。

 英語、中国語が飛び交います。 私は、相手の言葉を聞き取るのが必死です。
 
 How to eat?(食べ方) 私は、説明できないので用意していた画像とジェスチャーで
 必死に説明すると それを見ていたブレンショー嬢、私のジェスチャーにあわせて英語や中国語で
 解説を加えてくれます。そのうち、自分でもジェスチャーと英語でしゃべりはじめます。
 賢い女の子です。

 いつしか、必死に英語で説明する私の頭は、英語脳になり、知らず知らずのうちに英語でお客さんと
 対話を始めていました。

 ブレインショー嬢とも、いつしか息があってきました。目で会話ができます。
 あまりにもの販売に興奮してきたようで私を邪魔だとばかり押しのけてお客さんにカニを
 手渡しはじめることも(笑)
 事実、ひとだかりで、私たちは、自分の居場所さえ確保することが困難だったのです。

 売れ始めたのは、午後の2時・・・それは、午後7時まで続いたのです。売り上げ0だった私は、
 いつのまにか200~300匹のカニを売っていました。実質4時間ほどでした。
 
 ひとだかりの向こう側のシャーリーンさんと目があうと、両手のこぶしで親指を突き出し
 「やったね!」の合図を送ってくれました。

 Boiled Crab! ベリィ~スウィ~トなのですっ。(笑)

 (次回に続く)

 
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by simarisu10 | 2013-07-02 18:21 | 平社員営業フロア
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