平社員・・・そうえいば・・シンガポールに・・その1
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  いや・・・シンガポールのチキンライスは、美味しかったですよ・・。本当。

  
  昨年、ブログ休止中?に仕事でシンガポールに行く機会があったのです。

  伊勢丹シンガポールで 「北陸物産展」が開かれることになりました。

  ある、商談会で ちょっとでてみない?なんて話がありまして・・・・
  本気にしなかったのですが・・・伊勢丹側から、出展の依頼があって・・
  
  結局、私のわがままを通す形で 10日間の会期中 3日の参加を人間社会の会社側に
  取り付けました。

  本当は、人間社会の部下を赴かせる予定だったのですが・・・本人(複数♀)が「ぜ~ったい、イヤ!です。」
 
  なんていうものですから・・。

  という・・・私は、別の意味でイヤだったのです・。

  私を海外に一人で行かすと・・・ロクな事がありません。街中の狭くて暗い路地に入り込み
  ブロークンイングリッシュと手振りとノートに絵を書いて、飲み始めたり、挙句の果てに
  いわゆる「お持ち帰り」してしまったり・・・ロクな事をしないのがわかっているので・・。

  シンガポールは、初めてでしたが、わかりやすい国でさして苦労もせずに目的地の
  オーチャード通りの伊勢丹に到着します。

  なに・・・伊勢丹の北陸物産展だろ?相手は、日本人か中国系移民・・・それなら、私の得意と
  するところです。しかも、多少の英語が通じるなら、さして・・・苦労もするまいて・・。

  わたし・・・シンガポールという国をあまりしらなかったのですが・・・・・一言で言うなら
  模型の国 と私は、表現します。

  文化や歴史のなかで育ったのではなく、こんな国があればいいのじゃないかな、栄えるのでは
  ないのかなというのを 実験的に組み立てた国。そして、組み立てたあとに文化が創造されていると
  いう国です。
  
  私は、仕事で一人でいきましたが・・・20歳の女の子が、一人で旅行しても・・さして、苦労しないの
  ではないかと思います。

  私は、プライベートで海外に行ったことは、一度もありませんが、仕事で行く方が、断然、海外を
  楽しめると考えています。

  さて・・今回の話は、長くなりますので、はしょって行きます。滞在時間は、56時間、その間で
  全ての目的を成し遂げなくてはいけません。
 
  目的は、シンガポールでカニと甘えびを売ること。カニ100ケース、あまえび30ケースを売らないと
  経費がペイできません。

  具体的に言うとカニ1200匹、甘えび300kgを販売しないといけません。


  会場づくりする時間も前日から入れない私は、2時間で終えなくては、いけません。
  しかも売り場をデコレーションするための用品も日本からも持ち込み。

  荷物が嫌いな私は、考えた挙句、全てを紙と布だけでデコレーションすることにし、結局
  おどろくほど小さいスーツケース一つにまとめてしまいました。
  
  日本から下手に持っていくより、必要なものは、現地調達するのが私の主義です。
  早い話、私物は、パンツ、靴下、シャツ、ハンカチ各2枚でいいのです。ホテルで洗濯するので。
  携帯用の小型PCがあれば、全てが事足ります。あっ、そうそう、あと首からぶらさげるボールペンと
  手帳、コンサイス辞書と旅行者用会話本があれば・・・大抵の窮地は、乗り越えられます。
  切り札は、紙幣とVISAカード。

  さて・・・物産展の会場に着くと・・まず、驚いたのが、私の持ち場は、本会場ではなく、そこから
  離れた鮮魚コーナー。 
  
  さらに私のコーナーの狭いこと・・・

  
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   (カニに値札を持たせて お茶目感を出してます↑)

   これだけです・・・。このスペースでカニを1200匹売れってか・・・・。
 
   対面販売は、実を言うと自信があります。ど~も、素質があるらしく・・・ハマチを4000本かそれ
   以上を2人で3日で売ったことなんて・・何度もあるのです。一般消費者向けにこれは、偉業だと
   思います。

   要は、簡単なんです。売り込もうとするから、客が逃げるのです。歌と駄洒落でお客さんと
   会話をはかれば・・・いいだけです。

   「わっ・・・・今日は、ハマチがうれへんで・・・ハマチ・・・ハマチ・・ うん?なんか・・・
   思い出す。あっ、ハマチ真里や!」
   
   「あほっ!それをいうなら 天地真里や」と相方に突っ込みいれると年配のお客さんが笑ってくれます。

   こうなれば、こちらのもの。「にぃちゃん。おもろいで~」と言いながら売り場を覗いてくれます。

   「これ、ねぇさんみたいにピ~ッチピッチ、ほら、ハマチの目が、ねえさんに買って欲しいと
   訴えかけてるやろ、かわいそうやから、持っていきな。」

   などとやっていると、自然に人が集まり、誰かが、買うと一斉に買いだすのです。
   そのなると、逆に客から怒号が飛びます。「俺のは、まだか~!!はよせんか~」って。

   今回のシンガポールも この作戦でいこうと考えておりました。
   
   だから・・・売り口上、英語版をいくつか考え、実行する予定でした・・。

   で・・・・開店前に実験的に やってみたのです。

   現場で従業員相手に
   「さぁ~いらっしゃい、カニやでカニやで、おいしいよぉ~!ダイレクト フロム ジャパン ボイルド
   レッドスノークラブ、イッツ!デリシャス、ティスティ~ This プレイス まぁけっと~っぉ~、
   15ドル、15ドル ベリ~ィ チ~~~プ!」

   と日本語とブロークンイングリッシュを取り混ぜ、手拍子と腹からだす響く声で大声でやってみたのです。

   ところが・・・まわりの従業員の手がとまります。みなさん、日本人ではありません。
   そんな、みんながこちらを凝視しています・・・。

   ここで判断。 伊勢丹なのに日本の物産展を頻繁にやっているにも関わらず、この反応は、
   いままで、こんな呼び込みを使う 売り込みをやったやつがいないということです。

   でも、ここは、想定内。

   こんどは、マイルドに
  
   「はい、いらっしゃい、ハロォ~、クラ~ブ(カニ)、クラ~ブ、でりしゃす~~♪」と普通の声で
   言うかわりに、ピョンピョンと手拍子しながら、飛び跳ねる 視覚効果に訴えかけることにしました。

   そうしたら・・・・従業員達は、私から、目をそらしはじめたのです・・・。

   ははぁ・・・・これは、こちらでは・・・「危ない人」扱いなのか・・・・。

   弱ったな・・・・。


   得意戦法が、通じない・・・。

   まっ・・・様子を見るか・・・。

   開店と同時に入ってくるのは、中国系の人とインド人ばかり・・・・日本人なんて、いません。

   北陸物産展の本会場では、にぎやかに小さく 日本語で呼び込みしています。

   でも。。。英語で呼び込みしていないじゃん・・・。駄目じゃん・・・。


   さらに困ったことが・・・売り場にマネキン(販売補助員)が、付くことになっており、他のコーナーでは
   シンガポーリアン(シンガポール人)のマネキンさんが 一人ついていて、実際には、その人が
   主体で販売しています。

   私も最初の話では、マネキンさんに販売まかせて、木枯らしさんは、立っているだけでいいよという
   話でしたが・・・。   私のコーナーだけ・・・いない・・。

   孤立だ・・・。孤立無援では、ないのです。鮮魚コーナーには、日本人が数人いて、私の助けは、
   してくれるのですが、かなり忙しそうで、私の販売を手伝う余裕は、なさそうです。

   無策・・・・惨敗・・。 3日でカニ1200匹を売ると豪語して日本をでてきたのに・・・開店、2時間
   1匹も売れません。

   どーする・・・ど~する・・・。本会場では、そこそこに売れているようですが・・・、いまだ売り上げゼロ。

   考えろ、考えろ・・・。

   そうだ・・・朝、私に「おはようございます」と言ってきた シンガポーリアンのおばさんが、いたな。
   10メートル向こうにいるのです。なんか調味料のマネキンさんをしています。
  
   この人は、日本語が出来るかも・・・と近寄っていって、ブロークンイングリッシュで会話を
   始めます。結局、このおばさんは、以前、日本の物産展のマネキンをしたことがあるので
   「おはようございます。さよなら。ありがとうございます。」は、喋れるだけと判明しました。

   このマネキンさんは、シャーリーンさんです。

   シャーリーンさんに「あなたは、何を売っているんだ?」と聞いたら「シンガポールの有名な
   ジンジャーソースを売っている。美味しいよ。あんた、食べてみなよ」との事。

   どれどれ、試食してみると・・・これは、うまい。
   
   「他にもいろんなソースが、あるから ミスター、トライしてみろ」と言います。

   「いや、ジンジャーソースが気に入った。5つ買おう」 
   「あんた、あの売り場のボスだろ?」
   「そうだよ。」
   「ボスなら、1ケース(24ビン)買いな。」
   「いやだよ、日本まで持って帰るのにtoo heavy(重い)だ」
   「いや、ミスター、これは、4つ買うと割引になる。だから、8つ買いな」
   「OK,わかった」

   結局、シャーリーンさんにジンジャーソースを8つ買わされてしまいます。
   でも・・・これは、わざとなんです。これで、人間関係ができます。

   ちょっとシャーリーンさん、こっちきて・・・とカニの売り場に連れて行きます。

   で。。。これを「どうやって売ればいいのか」と聞きたかったのですが、適当な英語が思い浮かびません。

   面倒なので カニを指さして「What’s This?」 と聞いたのです。

   これは、シャーリーンさんが、このカニを知っているかどうか、どんな反応をするか、どんな評価を
   するかを知りたかったのですが・・。
  
   なんとシャーリーンさんが、怒り出しました。

   あまりにもの早口の英語でまくしたてるので、全部が聞き取れません。

   概要は

   「あんた、この売り場のボスだろ!なんで、このカニをしらないんだよ。このカニは、
   美味しくて、甘くって とってもいいんだよ、あんた、そんなことも知らないのかい。
   あたしゃ、日本に旅行したことが、あるんだよ。このカニは、と~っても甘いんだよ!」

   ということだそうです・・・。


   この時、私は、シャーリーンさんにまくしたてられているにも関わらず、やった!と思いました。

   彼女の言葉に大ヒントがあったからです。

   カニは、ティスティ~でもなく、デリシャスでもなく、 ベリィ~スウィ~ティ(甘い) と表現するんだと。

   この時点が、変化点(ターニングポイント)でした。シンガポールで私に残された48時間は、
   劇的に変化していくのでした。

                                            (続く)

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by simarisu10 | 2013-07-01 20:09 | 平社員営業フロア
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