クーンストライプシュリンプ 最終夜
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 最近、音楽が大好きなピコ係鳥です。

 音楽をかけてくれとパソコンのまわりをウロウロして平社員に催促するのですっ!
 曲をかけると楽しそうにさえずりまくるピコ係鳥ですっ。
 
 今日は、山下久美子さんですよぉ~。昔、大ファンで一人でコンサートによくいっていたのです。

 たまたま、最近、FMラジオでミニコンサートしているのを聞いて、もういてもたっても・・・最近のアルバムを
 買いあさっているのです。

 お互い・・・歳をとっちゃったなぁ・・・・って 感じで 良い意味で 楽しく聞いています(笑)


 本日のお話は、クーンストライプ最終話です。

 (前回からの続き)

 カナダから来日した Mr.レイとお酒を飲んで クーンストライプシュリンプの話で盛り上がります。

 結局、クーンストライプをコンテナで持ってくる話は値段交渉で決裂して実現には、
 いたらなかったのですが、スポットシュリンプと一緒に数トン買いました。
 品物は、驚くぐらい良かったのですが・・・日本のマーケットの反応は、いまひとつでした。

 どれくらいの時間が経った頃でしょう・・・良く覚えてないのですが、ロシア産のトヤマエビと
 カナダ産のクーンストライプを机においてじ~っと見ている私がいました。
 
 海老の仕事をしているので、当時の私の机には、生の海老を並べて放置して伝票や電話をしておりました。
 
 どの程度で変色するか、酸化防止剤の濃度が適性に処理されているかを見ていたのです。
 
 そのため、私の机は、いつも海老臭が・・・月に一度、机を消しゴムで洗っていました(笑)
 これが、一番、海老臭がとれたのです。消しゴム・・半分くらいなくなりましたが・・。

 さて、ロシア産のトヤマエビとカナダ産のクーンストライプ・・・私も水産学部にいたので、
 種の同定(本当に、対象物が その種類かを判定すること)の知識がありました。
 
 ところが 色と模様が違うのですが・・・脚の棘の数やひとつひとつの殻の形状を調べてみても
 同種としか判定できません。

 色や模様の違いというのは、亜種の可能性があるだけで別種という判定にはなりません。

 同じ日本人でも 沖縄人と東北の人は、特徴が異なるのと同じ理屈です。
 
 人間は、体格の割りに飛行機や車で長距離移動するので特徴が平坦化しやすいのですが
 
 飛行機にのって移動しない ちいさな海老は、移動距離が限られてくるので地域に応じた
 特徴を持つのです。余談ですが、グリーンランドの甘えびと日本の甘えびは、別種です。
 それが判明したのが およそ10年くらい前です。
 
 さらに言うなら、日本の甘えびは、大きく4つの集団に分類され、それぞれの生活サイクルが
 まるで別物。さらに・・これは、細分化して 集団の中でも それぞれの特徴があることも
 経験的にしっているのですが・・・この話は、別の機会に

 さて・・・トヤマエビとクーンストライプシュリンプの2種は、学名がPandalus hypsinotus

 すなわち同種となっています。 となると・・・日本やロシアで漁獲されるトヤマエビとクーンストライプは、
 違いこそあれど・・・亜種の関係であると考えられます・・・。


 しかし・・・ひっかかっていたのは、Mr.レイの話です。

 クーンストライプは、河口に住むのにトヤマエビは、200~500メートルの深度に生息しています。
 トヤマエビは、かなりの大型(70g)に成長するのにクーンストライプは、せいぜい40gです。
 
 生殖活動のために一時的に浅海に移動する習性のある海老もいますが・・・Mr.レイの話では
 クーンストライプは、恒常的に浅海に生息している様子です。

 私は、結論づけました。クーンストライプとトヤマエビは、学名が一緒でも別種であると。
 
 さらにクーンストライプシュリンプは、新種であると・・・。

 今でもお世話になっているのですが・・・千葉県立博物館のK先生に 新種では?と連絡し 
 サンプルを送ったのです・・・。
 
 しばらくしてK先生から とどいた返事は、驚くべきものでした。

 
 Pandalus hypsinotus は、「クーンストライプシュリンプ」で間違いない。
 逆に言うと 日本やロシアで 流通名 ボタンエビ とされている トヤマエビが 新種である との事です。

 「私たちが通常に昔から食べている ボタンエビ(トヤマエビ)が・・新種なのです。」


 先生によるとPandalus hypsinotus は、カナダのクーンストライプ海老につけられた学名。
 これは、カナダにおいて認定?されている。

 日本のトヤマエビを日本の学者が同定する際、トヤマエビを新種とは思わず、クーンストライプ海老の
 学名をあててしまったのだろうとのこと。

 しかし・・・先生によると、すでに日本のボタンエビ(トヤマエビ)は、商業用魚種として広く認知されており
 これを改めて新種とするには・・とても入念な研究が必要な上に混乱しか招かないだろうとの事。
 また、これを新種として発表するには・・・あまりにも衝撃が大きく・・・・以下略。

 この話を先生と 二人で「無い事」にしても いいのですが・・・・。この話・・、もう10年くらいは、
 経過しているので・・・ アクセス数の少ないブログに記録として後世に残しておくのもいいかと・・。

 K先生もこの件を「荒立てる」気もないようですし・・・。

 でも・・・・きっと・・・大発見なのでしょうね・・・。

 Mr.レイ・・・あなたが、私と共にお酒を飲んでしてくれた時の話は、こんな結末になりました。

 もう一度、カナダに行ったとき、今度は、酒飲み話でMr.レイに言ってやろうと思っていたのですが・・
 その前に他界されてしまいました・・・。
 
 Mr.レイは、私と一日しか行動を共にしなかったのですが・・・カナダで 木枯らしは、元気なのか?
 と日本人がカナダに来たら聞いていたと聞きました・

 それから・・・毎年、Mr.レイの会社から今でも グループの漁師に配布される
 帽子やシャツが 日本の知人をとおして私に送られてきます。

 私が、他界するのは、まだ先の話でしょうが・・・・
 天国というものがあるのなら、また、貴方と堅い握手をさせてください。

                                             故 Mr.レイに捧ぐ

                                              木枯らし平社員より
 
 
 

 
by simarisu10 | 2013-06-20 20:47 | 平社員営業フロア
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