局ネタ・・・・テレビ局が驚いた日 前編
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橋爪さん(通称:たかさん)は、女性プロデューサーである・・。とても垢抜けた服装と洗練され
た会話。年ながらも美しい顔だちと女子アナをキツク叱り飛ばす、強い性格で局での地位を
不動のものとしている・・。

私がアルバイトしている報道部のデスクでさえ、おそるおそる声をかけ・・・会話
の後では「タカちゃんは・・・・かなわんで・・・。」と小声でつぶやくのであった・・・。

こんばんわ~。今日は久しぶりに私がアルバイトをしていたテレビ局の話、局ネタです。
今日、お送りする話は「テレビ局が驚いた日」(前編)です・・・。


さて・・・いったい、何に驚いたのでしょうか?局ネタシリーズ第4弾。


報道部の入り口の前にドカーンとでっかいデスクがある・・・。普通は、こんなところに
デスクを置かないのであるが、弱小テレビ局の悲しさで、局にスペースが無い。
それとまた、机の主は、ほとんど机に座っていた事がないので、それは入り口で机の持ち主
がこの局に在籍していることを示すだけの存在であった・・・。
しかし・・・たまには・・・座っていた。橋爪プロデューサーこと「たかさん」である。
座っているときは・・・たいがい、椅子の背もたれに、ここまでかというくらい力をかけ、
顔を引き締め、目を閉じている・・・。考え事をしているのである。

なにせ、机が入り口の正面にあるので出入りする人間は、たかさんの目の前を否応なく
通りすぎねばならない・・・。私とて例外ではない。

「木枯らしく~ん、・・もう少し・・・綺麗な格好できないっかなっ?」

「橋爪さんだって・・その格好なんです?地味なカラーに、多層構造になってて
良くわからない格好、(本当はオシャレな格好らしいのだが・・・)  それって・・・
まるで、上海にいる貧乏みたいですよぉ・・」

「上海にいる貧乏ねぇ・・・あははっ」←どーやら上海の貧乏という表現が気に入ったようだ・・。

という事で、局の辣腕プロデューサー、たかさんは以降、バイトの私から上海貧乏という
ニックネームを頂くことになる。

あわてたのは、テレビ局で私とコンビ同然の関係にある、私の師匠こと報道部のディレクター
である。
「おいっ、おいっ・・・木枯らし・・」

「はい?」

「あのな・・・タカさんに、貧乏呼ばわりするのはやめてくれ・・・。いいか、タカさんは、俺と
そう歳は違わないんだけどな・・あのな・・・俺よりタカさんの方が偉いんだ・・・あのデスクで
さえ、気をつかう相手なんだ。お前が・・なんか、恐ろしい、上海貧乏とか言う度に・・
俺は・・縮みあがってしまってな・・・・頼むから・・・あれだけはやめろ・・。」

コンビ同然の師匠が、こんなことを言うのは珍しかったので、私は素直に従った。
そういえば、良く女性アナが、泣きながら、タカさんと一緒に部屋を出てくる場面を目撃した。
うん、きっと・・・怒ると怖いのだろう・・・・そういえば・・・人を褒めたことは一度だって・・・
なかったよな・・・・・。台本、振り回して、主調整室で罵り、叫んでいるくらいだもんな・・・。

さて、そのころ、私のバイトしているテレビ局では実験的に、地域コミニュケーション情報
を主眼とした番組制作を始めていた。予算が番組制作に裂けない実情において、積極的に
地域ネタを取り上げる。これにより、番組に登場する地域の人々、関わった人々に人気の
薄い地方局に眼を向けさせ視聴率の向上を図る手段である。

各カメラマン、ディレクター、アナウンサーは一週間の内、一日を担当させられ、昼の12時
より30分にわたり、地域ネタ番組を自主制作させられるのである。ちなみにこの時間帯は
笑っていいともが一強を占める時間帯である。
私は当然、いつもペアになっている師匠とコンビとなり、水曜日の時間帯を担当した。
しかし・・・なにせ、二人・・・。傾向としては、バラエティを狙っている番組なのにも関わらず
カメラを回すのに二人いると・・・番組に登場する人物がいなくなるのである。
師匠が考えた事は簡単であった・・・。
私にカメラを回さし、自分が出演するのである。私とて心得たもの、短いながら師匠とコンビ
を組んでるいるので師匠のカメラワークの癖は体がしっかり覚え込んでいたのである。
私の回すカメラワークは師匠のそれと変わりなかった・・・・。

しかし、局内ではディレクター自ら、出演する番組は、一つ裏にいけば、皆の嘲笑を浴びる
ことにもなっていた・・・。

しかし、所詮は二人・・・師匠は、ある時、私を番組に起用することを考えた。というか・・・
場当たり的にやってみたようだ・・・。たしか・・・鍋をモリモリ食べるという場面で「アルバイト
のM君登場」とやったのだが・・・・・局内で大受けしたようなのだ・・・。私が本気になって
食事をすると、まずいものでも美味そうに食べるのでとても絵になったのである。
(学生時代は貧乏なので食べれるものはなんでもおいしかった事は秘密)

ということで・・・水曜日は木枯らしの番組になってしまった。私の知り合いの女性や
番組でお世話になった女性などと組んで、いろんなところへ行って地域を体験してゆく
番組に・・・・・・なってしまった・・・・のだ・・・いつのまにか・・。

結果は、好評で時々ながらも、番組に対して好意的な投書がくるまでにもなった。

実験的に始めた、地域情報ネタ番組は一年ほどで終了することになったが・・。
結果を見てみると、私と師匠の組んだ水曜日のバラエティと お嬢様アナの佐々木アナと
菅野ディレクター、正体不明な地域情報誌の社長がトリオになった金曜日のコーナーが
人気を取り合う結果になった・・。

人気を取り合うといっても・・・視聴率は0.3%・・・惨敗といえる結果であった・・。

そんなおり、私は菅野ディレクターから呼び出しがかかった・・・・。

「いやぁ~・・・・いまだに・・・迷っているだが・・・、私としては不本意なのだが・・。」
「そのぉ・・・・木枯らし君・・・・今度、ゴールデンタイムに・・うちの局が一時間枠で
バラエティ番組を作るのだが・・・・でてくれないか?」

「へっ?!」

「いやぁ・・・その・・・この番組は最初の方は、僕が担当するんだけど・・・後半は・・師匠さん
が担当するんだ・・・・・。師匠ディレクターが君が出ないと、後半の担当を受けもたないと
言い張って・・・仕方なく、まぁ・・・君に出てもらおうかと・・・。まぁ・・君の出ている番組を
見ていても・・悪い感じではないし・・・。」

うっ・・・師匠め・・・・私に断りもなく、裏でこんなことを企んでいたのか・・・・。
ただでさえ、学校を休みたくって、単位の危ないときに・・・・・・こんな、話をもってくるか・・・。

「はい、わかりました。この話、お受けします・・・・。」 私は答えた・・・。師匠の魂胆が見え
ていたからである。

「そうか、ありがとう・・・・。」


おーい、木枯らしっ。報道部に戻ると、師匠が待っていた・・・・。お前、話・・聞いたか?・
ええっ・・・聞きましたよ(少々。怒)

お前、承知したのか~~~?えええっ、承知しましたよ・・・(怒)


そうか・・・えへへへっ、きっとお前はそういうとおもっとったわい・・・いひひっひ・・。
師匠は本当にうれしそうだった・・・・。師匠の魂胆がすでにわかっていた私は
世紀の恥さらしの予感を激しく胸に感じていた・・・・。テレビ局のアルバイトから、急遽、タレ
ント???の道を歩みだした木枯らし・・・テレビ局側からだされた条件は悪くはなかった・・。

なんと放映日には、時間に関係なく日当5000円+夕飯がつくのである。

普段、時給500円で使われている私にとって・・・夢のような待遇であった。

後編に続く
  
by simarisu10 | 2004-12-02 00:31 | 局ネタ
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